高松宮記念 (競馬)

提供: Wikiducca
2016年3月8日 (火) 22:52時点におけるHOPE (ノート | 投稿記録)による版

移動: 案内検索
高松宮記念
280px
高松宮宣仁親王(1905 - 1987)
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中京競馬場
創設 1971年6月27日
距離 芝1200m[1]
格付け GI[1]
賞金 1着賞金9500万円[1]
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(指定)
負担重量 定量(57kg、牝馬2kg減)
テンプレートを表示

高松宮記念(たかまつのみやきねん)は、日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場で施行する中央競馬重賞レースGI)である。

正賞は名古屋市長賞、名古屋競馬株式会社賞、日本馬主協会連合会会長賞、グローバルスプリントチャレンジ賞[1]

概要

ファイル:Curren-Chan20120325(1).jpg
第42回高松宮記念(優勝馬:カレンチャン)

春の古馬短距離路線のチャンピオン決定戦であるとともに、春のGIレースシリーズの始まりを告げるレースともなっている[2]

4歳(現3歳)以上の馬による重賞として1967年に創設された「中京大賞典(ちゅうきょうだいしょうてん)」が、本レースの前身[3][4]。1970年に高松宮宣仁親王から優勝杯が下賜された[4]のを機に、1971年より「高松宮杯(たかまつのみやはい)」に改称[3]のうえ新設[4]。同年より中京競馬場に新設された芝コース[4]の2000mで、夏の中京開催を飾る中距離の名物レースとして施行していた[3]。この間、1984年にグレード制が導入された際、GII[注1]に格付けされている[4]

1996年に中央競馬の短距離レース体系が改善・整備され、本レースは距離を芝1200mに短縮のうえ施行時期も5月に変更し、GI[注1]に格上げ[3][4]。これにより、中央競馬のいわゆる「中央場所(中山・東京・京都・阪神)」以外の競馬場で初めて行われる常設のGIレース[3][4]として、春の短距離王決定戦に位置づけられた[3]

その後、1998年には現名称に改称[3][4]され、2000年には施行時期を3月に変更[3][4]。レース条件も「5歳(現4歳)以上」に改められた[3]

2005年に創設された国際スプリントシリーズ戦「グローバル・スプリント・チャレンジ」に2011年から構成レースのひとつとして加わり、2013年まで第2戦(2014年からは第3戦)として行われている[3]

外国産馬は1989年から、地方競馬所属馬は1996年から出走可能になった[3]ほか、2001年からは国際レースとなって[3][4]外国馬も出走可能になった[3]。2007年より国際GIに格付けされている[4]

レース条件

以下の内容は、2015年現在[1]のもの。

  • 出走資格:サラ系4歳以上(出走可能頭数:最大18頭)
    • JRA所属馬
    • 地方競馬所属馬(出走資格のある馬のみ)
    • 外国調教馬(9頭まで、優先出走)
  • 負担重量:定量(57kg、牝馬2kg減)

JRA所属馬の出走権

JRA所属馬は同年に行われる下表のレースで1着となった馬に、優先出走権が付与される[5]

レース名 競馬場 距離
阪急杯 GIII 阪神競馬場 芝1400m
オーシャンステークス GIII 中山競馬場 芝1200m

上記のほか、レーティング順位の上位5頭にも優先出走権が付与される[3]

その他のJRA所属馬は、以下の条件で出走馬を決定する。

  • 「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順

地方競馬所属馬の出走資格

地方競馬所属馬は同年に行われる下表のレースで2着以内となった馬に、優先出走権が付与される[6][5]

レース名 競馬場 距離
阪急杯 GIII 阪神競馬場 芝1400m
オーシャンステークス GIII 中山競馬場 芝1200m

上記のほか、外国で行われるグローバル・スプリント・チャレンジ対象レースのいずれかで2着以内となった地方競馬所属馬も本レースに優先出走できる[3]

賞金

2015年の1着賞金は9500万円で、以下2着3800万円、3着2400万円、4着1400万円、5着950万円[1]

コース

中京競馬場の芝コース、1200mを使用。

向正面のやや第2コーナーよりの地点からスタート[7]し、スタート直後は緩やかな上り勾配。その後第4コーナーを過ぎるまで、高低差3.5mを一気に下る[7]。ゴールまでの直線は412m[7]あり、残り約350m地点から高低差約2mの上り勾配が待ち構える[7]

歴史

  • 1971年 - 4歳(現3歳)以上の馬による重賞レース「高松宮杯」の名称で創設、中京競馬場の芝2000mで施行[3]
  • 1984年 - グレード制施行によりGII[注1]に格付け[3]
  • 1989年 - 混合レースに指定され、外国産馬が出走可能になる[3]
  • 1996年
    • GI[注1]に格上げ[3]
    • 施行距離を芝1200mに変更[3]
    • 指定交流レースに指定され、地方競馬所属馬が出走可能になる[3]
  • 1998年 - 名称を「高松宮記念」に変更[3]
  • 2000年 - 出走資格を「5歳(現4歳)以上」に変更[3]
  • 2001年
    • 馬齢表記を国際基準へ変更したのに伴い、出走資格を「4歳以上」に変更[3]
    • 国際レースに指定され、外国調教馬が5頭まで出走可能となる[3]
  • 2007年
    • 国際GIに格付け[3]
    • 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大[3]
  • 2011年
  • 2012年 - レーティング上位の5頭に優先出走を認める。

歴代優勝馬

回数 施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1971年6月27日 シュンサクオー 牡5 2:00.1 飯田明弘 小林稔 岩佐俊策
第2回 1972年6月25日 ジョセツ 牝5 2:01.8 岡部幸雄 鈴木清 中村勝五郎
第3回 1973年6月24日 タケデンバード 牡4 2:01.0 蓑田早人 稲葉秀男 武市伝一
第4回 1974年6月23日 ハイセイコー 牡4 2:00.4 増沢末夫 鈴木勝太郎 (株)ホースマンクラブ
第5回 1975年6月22日 イットー 牝4 2:00.2 簗田善則 田中好雄 (有)荻伏牧場
第6回 1976年6月27日 フジノパーシア 牡5 2:01.3 大崎昭一 柴田寛 真田繁次
高橋金次
第7回 1977年6月26日 トウショウボーイ 牡4 2:03.8 武邦彦 保田隆芳 トウショウ産業(株)
第8回 1978年6月25日 ヤマニンゴロー 牡4 2:03.2 古川隆文 諏訪佐一 土井宏二
第9回 1979年6月24日 ネーハイジェット 牡3 1:59.8 松本善登 布施正 (株)大丸企業
第10回 1980年6月22日 リンドプルバン 牡4 2:01.1 田原成貴 見上恒芳 (株)デルマークラブ
第11回 1981年6月28日 ハギノトップレディ 牝4 2:01.8 伊藤清章 伊藤修司 日隈広吉
第12回 1982年6月27日 カズシゲ 牡5 2:00.5 田原成貴 須貝彦三 (株)ホースメン
第13回 1983年6月26日 ハギノカムイオー 牡4 2:01.1 伊藤清章 伊藤修司 日隈広吉
中村和夫
第14回 1984年6月24日 キョウエイレア 牡5 2:03.9 田島信行 久保田金造 松岡正雄
第15回 1985年6月23日 メジロモンスニー 牡5 2:03.5 清水英次 大久保正陽 メジロ商事(株)
第16回 1986年6月22日 ラグビーボール 牡3 2:01.3 河内洋 田中良平 小田切有一
第17回 1987年7月12日 ランドヒリュウ 牡5 1:59.8 村本善之 小林稔 木村喜一
第18回 1988年7月10日 オグリキャップ 牡3 1:59.0 河内洋 瀬戸口勉 佐橋五十雄
第19回 1989年7月9日 メジロアルダン 牡4 1:58.9 河内洋 奥平真治 (有)メジロ牧場
第20回 1990年7月8日 バンブーメモリー 牡5 1:59.4 武豊 武邦彦 武田辰一
第21回 1991年7月7日 ダイタクヘリオス 牡4 1:59.4 加用正 梅田康雄 中村雅一
第22回 1992年7月12日 ミスタースペイン 牡4 2:00.6 石橋守 橋口弘次郎 架谷外茂次
第23回 1993年7月11日 ロンシャンボーイ 牡4 1:59.0 清山宏明 小原伊佐美 清岡政徳
山本次郎
第24回 1994年7月10日 ナイスネイチャ 牡6 2:00.7 松永昌博 松永善晴 豊蔦泰三
第25回 1995年7月9日 マチカネタンホイザ 牡6 2:02.6 柴田善臣 伊藤雄二 細川益男
第26回 1996年5月19日 フラワーパーク 牝4 1:07.4 田原成貴 松元省一 吉田勝己
第27回 1997年5月18日 シンコウキング 牡6 1:08.0 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第28回 1998年5月24日 シンコウフォレスト 牡5 1:09.1 四位洋文 栗田博憲 安田修
第29回 1999年5月23日 マサラッキ 牡6 1:08.0 藤田伸二 増本豊 丸井正貴
第30回 2000年3月26日 キングヘイロー 牡5 1:08.6 柴田善臣 坂口正大 浅川吉男
第31回 2001年3月25日 トロットスター 牡5 1:08.4 蛯名正義 中野栄治 高野稔
第32回 2002年3月24日 ショウナンカンプ 牡4 1:08.4 藤田伸二 大久保洋吉 国本哲秀
第33回 2003年3月30日 ビリーヴ 牝5 1:08.1 安藤勝己 松元茂樹 前田幸治
第34回 2004年3月28日 サニングデール 牡5 1:07.9 福永祐一 瀬戸口勉 後藤繁樹
第35回 2005年3月27日 アドマイヤマックス 牡6 1:08.4 武豊 橋田満 近藤利一
第36回 2006年3月26日 オレハマッテルゼ 牡6 1:08.0 柴田善臣 音無秀孝 小田切有一
第37回 2007年3月25日 スズカフェニックス 牡5 1:08.9 武豊 橋田満 永井啓弍
第38回 2008年3月30日 ファイングレイン 牡5 1:07.1 幸英明 長浜博之 (有)社台レースホース
第39回 2009年3月29日 ローレルゲレイロ 牡5 1:08.0 藤田伸二 昆貢 (株)ローレルレーシング
第40回 2010年3月28日 キンシャサノキセキ 牡7 1:08.6 四位洋文 堀宣行 吉田和美
第41回 2011年3月27日 キンシャサノキセキ 牡8 1:07.9 U.リスポリ 堀宣行 吉田和美
第42回 2012年3月25日 カレンチャン 牝5 1:10.3 池添謙一 安田隆行 鈴木隆司
第43回 2013年3月24日 ロードカナロア 牡5 1:08.1 岩田康誠 安田隆行 (株)ロードホースクラブ
第44回 2014年3月30日 コパノリチャード 牡4 1:12.2 M.デムーロ 宮徹 小林祥晃
第45回 2015年3月29日 エアロヴェロシティ 騸7 1:08.5 Z.パートン P.オサリバン N.ヨン

高松宮記念の記録

  • レースレコード - 1:07.1(第38回優勝馬ファイングレイン[3]
    • 参考記録 - 1:08.1(第43回優勝馬ロードカナロア[3]

脚注・出典

注釈

  1. a b c d 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. a b c d e f 平成27年第2回中京競馬番組PDF - 日本中央競馬会、2015年3月14日閲覧
  2. ^2015年度第2回中京競馬特別レース名解説(第6日)PDF - 日本中央競馬会、2015年3月14日閲覧
  3. a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad 今週の注目レース(第45回高松宮記念:プレイバック) - 日本中央競馬会、2015年3月19日閲覧
  4. a b c d e f g h i j k 高松宮記念特集(レースガイド) - netkeiba.com、2014年12月9日閲覧
  5. a b 平成27年度競馬番組一般事項PDF - 日本中央競馬会、2015年3月14日閲覧
  6. ^「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について(平成27年度)PDF - 日本中央競馬会、2015年3月14日閲覧
  7. a b c d 中京競馬場(コース紹介) - 日本中央競馬会、2014年12月9日閲覧

人名を冠した中央競馬のGIレース

外部リンク