菊花賞

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菊花賞
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第72回菊花賞
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1938年12月11日
距離 芝3000m
格付け GI
賞金 1着賞金1億1200万円
出走条件 サラ系3歳牡・牝(国際)(指定)
負担重量 馬齢(牡57kg、牝55kg)
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菊花賞(きっかしょう)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞レースGI)である。

レース名の「菊花」は菊の花の意味。菊はキク科キク属の多年草で、世界中に1万種以上あるといわれている。色や形は種類によって多岐に渡り、観賞用だけでなく食用としても用いられる。花言葉は「高貴」「高尚」。

正賞は内閣総理大臣賞朝日新聞社賞、日本馬主協会連合会会長賞。

概要

イギリスの「セントレジャー」を範にとり、1938年に「京都農林省賞典四歳呼馬」の名称で創設された4歳(現:3歳)馬による重賞レースで、1948年より現名称となった。前後して創設された横濱農林省賞典四歳呼馬(現::皐月賞)や東京優駿(日本ダービー)とともに、日本のクラシック三冠レースを確立した。旧八大レースにも含まれている。

クラシック三冠レースの最終戦として行われ、皐月賞は「最も速い馬が勝つ」、東京優駿(日本ダービー)は「最も運のある馬が勝つ」と呼ばれるのに対し、本レースはスピードとスタミナを兼ね備え、2度の坂越えと3000mの長丁場を克服することが求められることから「最も強い馬が勝つ」と称されている。最もスタミナのある優秀な繁殖馬を選定する観点から出走資格は「3歳牡馬・牝馬」とされ、せん馬(去勢馬)は出走できない。

施行場は阪神競馬場で行われた1979年・2021年・2022年を除き、すべて京都競馬場で行われている。距離の3000mも第1回から変更されていない。

地方競馬所属馬は1995年より、外国産馬は2001年よりそれぞれ出走可能になったほか、2010年からは外国馬も出走可能な国際レースとなった。

レース条件

以下の内容は、2015年現在のもの。

  • 出走資格:サラ系3歳牡馬・牝馬(出走可能頭数:最大18頭)
    • JRA所属馬(外国産馬含む、未勝利馬・未出走馬は除く)
    • 地方競馬所属馬(後述)
    • 外国調教馬(9頭まで、優先出走)
  • 負担重量:馬齢(牡57kg、牝55kg)
    • 第1回・第2回は牡馬55kg、牝馬53kg。第3回 - 第6回は牡馬57kg、牝馬55.5kg。

出馬投票を行った馬のうち優先出走権(後述)のある馬から優先して割り当て、その他の馬は収得賞金の総計が多い順に出走できる(残る1枠が複数の同収得金額馬だった場合は抽選で出走馬が決まる)。

優先出走権

出馬投票を行った外国調教馬は、優先出走できる。

JRA所属馬は、下表のトライアルレースで3着以内に入った馬に優先出走権が与えられる。

レース名 競馬場 距離
朝日杯セントライト記念 GII 中山競馬場 芝2200m
神戸新聞杯 GII 阪神競馬場 芝2400m

地方競馬所属馬は上記のトライアルレースで3着以内に入った馬のほか、桜花賞・皐月賞・優駿牝馬(オークス)・東京優駿(日本ダービー)で1着となった馬に優先出走が認められている。また、桜花賞・皐月賞・優駿牝馬(オークス)・東京優駿(日本ダービー)で2着となった地方競馬所属馬、およびNHKマイルカップで2着以内に入着した地方競馬所属馬にも出走資格が与えられる。

賞金

2015年の1着賞金は1億1200万円で、以下2着4500万円、3着2800万円、4着1700万円、5着1120万円。

歴史

  • 1938年 - 4歳(現:3歳)牡馬・牝馬によるレース「京都農林省賞典四歳呼馬」として創設。京都競馬場・芝3000mで施行。
  • 1943年 - 名称を「京都農商省賞典四歳呼馬」に変更。
  • 1944年 - 「能力検定競走」として施行したが、全馬がコースを間違えたためレース不成立。
  • 1945年 - 施行せず。
  • 1946年 - 名称を「農林省賞典四歳馬」に変更。
  • 1948年 - 名称を「菊花賞」に変更。
  • 1984年 - グレード制導入に伴いGIに格付け。
  • 1995年 - 指定交流レースとなり、地方競馬所属馬が出走可能になる。
  • 2001年
    • 馬齢表記を国際基準へ変更したことに伴い、出走条件を「3歳牡馬・牝馬」に変更。
    • 混合レースに指定され、外国産馬が2頭まで出走可能となる。
  • 2004年 - 「日本中央競馬会創立50周年記念」の副称をつけて施行。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIに変更。
  • 2010年
    • 国際レースに指定され、外国調教馬・外国産馬が合わせて最大9頭まで出走可能となる。
    • 格付表記をGI(国際格付)に変更。
  • 2013年 - 外国馬の出走枠を外国産馬と分離し、外国調教馬が最大9頭まで出走可能になる。
  • 2014年 - 「JRA60周年記念」の副称をつけて施行。

歴代優勝馬

馬齢は、2000年以前も現行表記(国際基準)に揃えている。

回数 施行日 優勝馬 性別 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1938年12月11日 テツモン 3:16 0/5 伊藤正四郎 尾形藤吉 松山隆郎
第2回 1939年10月29日 マルタケ 3:22 0/5 清水茂次 清水茂次 榎壽逸
第3回 1940年11月3日 テツザクラ 3:17 3/5 伊藤勝吉 伊藤勝吉 三宅孝之介
第4回 1941年10月26日 セントライト 3:22 3/5 小西喜蔵 田中和一郎 加藤雄策
第5回 1942年11月8日 ハヤタケ 3:16 3/5 佐藤勇 岩井健吉 伊藤祐之
第6回 1943年11月14日 クリフジ 3:19 3/5 前田長吉 尾形藤吉 栗林友二
第7回 1946年12月1日 アヅマライ 3:26 4/5 武田文吾 高橋直三 熊谷新太郎
第8回 1947年10月19日 ブラウニー 3:16 0/5 土門健司 武輔彦 仙石襄
第9回 1948年11月23日 ニユーフオード 3:13 3/5 武田文吾 小川佐助 吉木三郎
第10回 1949年11月3日 トサミドリ 3:14 3/5 浅野武志 望月与一郎 斉藤健二郎
第11回 1950年10月29日 ハイレコード 3:09 1/5 浅見国一 武田文吾 山田常太郎
第12回 1951年11月3日 トラツクオー 3:11 1/5 小林稔 久保田金造 岩本政一
第13回 1952年11月23日 セントオー 3:10 1/5 梅内慶蔵 新堂捨蔵 三木福一
第14回 1953年11月23日 ハクリヨウ 3:09 1/5 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第15回 1954年11月23日 ダイナナホウシユウ 3:09 1/5 上田三千夫 上田武司 上田清次郎
第16回 1955年11月23日 メイヂヒカリ 3:09 1/5 蛯名武五郎 藤本冨良 新田松江
第17回 1956年11月18日 キタノオー 3:09 3/5 勝尾竹男 久保田金造 田中留治
第18回 1957年11月17日 ラプソデー 3:16 0/5 矢倉義勇 小西喜蔵 椎野浅五郎
第19回 1958年11月16日 コマヒカリ 3:10 0/5 浅見国一 橋本輝雄 鈴木一平
第20回 1959年11月15日 ハククラマ 3:07.7 保田隆芳 尾形藤吉 西博
第21回 1960年11月13日 キタノオーザ 3:15.1 伊藤竹男 久保田金造 田中清司
第22回 1961年11月19日 アズマテンラン 3:15.4 野平好男 二本柳俊夫 堀平四郎
第23回 1962年11月25日 ヒロキミ 3:10.7 高松三太 二本柳俊夫 相馬恵胤
第24回 1963年11月17日 グレートヨルカ 3:09.5 保田隆芳 尾形藤吉 小野晃
第25回 1964年11月15日 シンザン 3:13.8 栗田勝 武田文吾 橋元幸吉
第26回 1965年11月14日 ダイコーター 3:13.4 栗田勝 上田武司 上田清次郎
第27回 1966年11月13日 ナスノコトブキ 3:08.5 森安弘明 稲葉秀男 那須野牧場
第28回 1967年11月12日 ニツトエイト 3:14.5 伊藤竹男 矢倉玉男 太田和芳郎
第29回 1968年11月17日 アサカオー 3:09.0 加賀武見 中村広 浅香源二
第30回 1969年11月16日 アカネテンリュウ 3:15.3 丸目敏栄 橋本輝雄 関野栄一
第31回 1970年11月15日 ダテテンリュウ 3:10.4 宇田明彦 星川泉士 浅野千恵子
第32回 1971年11月14日 ニホンピロムーテー 3:13.6 福永洋一 服部正利 小林保
第33回 1972年11月12日 イシノヒカル 3:11.6 増沢末夫 浅野武志 石嶋清仁
第34回 1973年11月11日 タケホープ 3:14.2 武邦彦 稲葉幸夫 近藤たけ
第35回 1974年11月10日 キタノカチドキ 3:11.9 武邦彦 服部正利 初田豊
第36回 1975年11月9日 コクサイプリンス 3:11.1 中島啓之 稗田敏男 芦部博子
第37回 1976年11月14日 グリーングラス 3:09.9 安田富男 中野隆良 半沢吉四郎
第38回 1977年11月13日 プレストウコウ 3:07.6 郷原洋行 加藤朝治郎 渡辺喜八郎
第39回 1978年11月12日 インターグシケン 3:06.2 武邦彦 日迫良一 松岡正雄
第40回 1979年11月11日 ハシハーミット 3:07.5 河内洋 内藤繁春 (株)シンザンクラブ
第41回 1980年11月9日 ノースガスト 3:06.1 田島良保 二分久男 鈴木忠男
第42回 1981年11月8日 ミナガワマンナ 3:07.1 菅原泰夫 仲住芳雄 寺内倉蔵
第43回 1982年11月14日 ホリスキー 3:05.4 菅原泰夫 本郷重彦 堀川三之助
第44回 1983年11月13日 ミスターシービー 3:08.1 吉永正人 松山康久 (株)丸沼温泉ホテル
第45回 1984年11月11日 シンボリルドルフ 3:06.8 岡部幸雄 野平祐二 和田農林(有)
第46回 1985年11月10日 ミホシンザン 3:08.1 柴田政人 田中朋次郎 堤勘時
第47回 1986年11月9日 メジロデュレン 3:09.2 村本善之 池江泰郎 メジロ商事(株)
第48回 1987年11月8日 サクラスターオー 3:08.0 東信二 平井雄二 (株)さくらコマース
第49回 1988年11月6日 スーパークリーク 3:07.3 武豊 伊藤修司 木倉誠
第50回 1989年11月5日 バンブービギン 3:07.7 南井克巳 布施正 竹田辰一
第51回 1990年11月4日 メジロマックイーン 3:06.2 内田浩一 池江泰郎 メジロ商事(株)
第52回 1991年11月3日 レオダーバン 3:09.5 岡部幸雄 奥平真治 田中竜雨
第53回 1992年11月8日 ライスシャワー 3:05.0 的場均 飯塚好次 栗林英雄
第54回 1993年11月7日 ビワハヤヒデ 3:04.7 岡部幸雄 浜田光正 (有)ビワ
第55回 1994年11月6日 ナリタブライアン 3:04.6 南井克巳 大久保正陽 山路秀則
第56回 1995年11月5日 マヤノトップガン 3:04.4 田原成貴 坂口正大 田所祐
第57回 1996年11月3日 ダンスインザダーク 3:05.1 武豊 橋口弘次郎 (有)社台レースホース
第58回 1997年11月2日 マチカネフクキタル 3:07.7 南井克巳 二分久男 細川益男
第59回 1998年11月8日 セイウンスカイ 3:03.2 横山典弘 保田一隆 西山牧場
第60回 1999年11月7日 ナリタトップロード 3:07.6 渡辺薫彦 沖芳夫 山路秀則
第61回 2000年10月22日 エアシャカール 3:04.7 武豊 森秀行 (株)ラッキーフィールド
第62回 2001年10月21日 マンハッタンカフェ 3:07.2 蛯名正義 小島太 西川清
第63回 2002年10月20日 ヒシミラクル 3:05.9 角田晃一 佐山優 阿部雅一郎
第64回 2003年10月26日 ザッツザプレンティ 3:04.8 安藤勝己 橋口弘次郎 (有)社台レースホース
第65回 2004年10月24日 デルタブルース 3:04.8 岩田康誠 角居勝彦 (有)サンデーレーシング
第66回 2005年10月23日 ディープインパクト 3:04.6 武豊 池江泰郎 金子真人ホールディングス(株)
第67回 2006年10月22日 ソングオブウインド 3:02.7 武幸四郎 浅見秀一 (有)社台レースホース
第68回 2007年10月21日 アサクサキングス 3:05.1 四位洋文 大久保龍志 田原慶子
第69回 2008年10月26日 オウケンブルースリ 3:05.7 内田博幸 音無秀孝 福井明
第70回 2009年10月25日 スリーロールス 3:03.5 浜中俊 武宏平 永井商事(株)
第71回 2010年10月24日 ビッグウィーク 3:06.1 川田将雅 長浜博之 谷水雄三
第72回 2011年10月23日 オルフェーヴル 3:02.8 池添謙一 池江泰寿 (有)サンデーレーシング
第73回 2012年10月21日 ゴールドシップ 3:02.9 内田博幸 須貝尚介 小林英一
第74回 2013年10月20日 エピファネイア 3:05.2 福永祐一 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第75回 2014年10月26日 トーホウジャッカル 3:01.0 酒井学 谷潔 東豊物産(株)
第76回 2015年10月25日 キタサンブラック 3:03.9 北村宏司 清水久詞 (有)大野商事
第77回 2016年10月23日 サトノダイヤンド 3:03.3 C.ルメール 池江泰寿 里見治
第78回 2017年10月22日 キセキ 3:18.9 M.デムーロ 角居勝彦 石川達絵
第79回 2018年10月21日 フィエールマン 3:06.1 C.ルメール 手塚貴久 (有)サンデーレーシング
第80回 2019年10月20日 ワールドプレミア 3:06.0 武豊 友道康夫 大塚亮一
第81回 2020年10月25日 コントレイル 3:05.5 福永祐一 矢作芳人 前田晋二
第82回 2021年10月24日 タイトルホルダー 3:04.6 横山武史 栗田徹 山田弘
第83回 2022年10月23日 アスクビクターモア 3:02.4 田辺裕信 田村康仁 廣崎利洋HD(株)
第84回 2023年10月22日 ドゥレッツァ 3:03.1 C.ルメール 尾関知人 (有)キャロットファーム
第85回 2024年10月20日 アーバンシック 3:04.1 C.ルメール 武井亮 (有)シルクレーシング

菊花賞の記録

  • レースレコード - 3:01.0(第75回優勝馬トーホウジャッカル)

備考

  • 菊花賞は英称での読み方はThe Japan Timesが"Kikka-sho"としているが、Horse Racing in Japanでは"Kikuka Sho"と表記している。
  • 1984年〜2006年の格付表記は、JRAの独自グレード。

外部リンク