宮城県
宮城県(みやぎけん)は、日本の東北地方にある県。東は太平洋に面し、西は奥羽山脈に接する。県庁所在地は仙台市。
概要
現在の宮城県の領域は、古墳時代からヤマト王権の影響下にあり、雷神山古墳(東北最大)が造営された。また、陸奥国府と推定される官衙(郡山遺跡)が名取郡に置かれ、後に宮城郡に多賀城(陸奥国府・鎮守府)や陸奥国分寺、陸奥国分尼寺が置かれた。室町時代になると、奥州管領となった大崎地方の大崎氏を中心に東北地方の支配体制が構築された。17世紀に伊達政宗が大崎地方の岩出山城から宮城郡に移り、仙台城を築いて城下町を開いた。戊辰戦争の敗戦で、明治政府直轄領となった石巻県が、国の東北地方を統轄する拠点とされた。
歴史
明治4年7月14日(1871年8月29日)の廃藩置県によって設置された仙台県が県庁所在地とした、江戸時代における仙台城下町は、その多くが従前は宮城郡(一部名取郡)だったことから、明治5年1月8日(1872年2月16日)に「宮城県」と改称された。当県の領域は仙台県時代から紆余曲折があり、明治9年(1876年)8月21日にほぼ現在の形となった。これを江戸時代の仙台藩の知行面積と比べると、約2/3に減った(現在の福島県新地町や同藩の約1/3を占める岩手県南部を失い、なおかつ陸奥国外の茨城県および滋賀県にあった飛び地をも失った)。仙台城の縄張りが始まった慶長5年12月24日(1601年1月28日)より270年あった仙台藩に対して宮城県はその半分ほどの歴史しかないことや、仙台市に宮城県民の47.1%が居住するプライメイトシティであることから、仙台市域より広く当県全域に及ぶ文物に「宮城」より「仙台」が優先して使用される例がよく見られる(仙台平野・仙台弁・仙台牛・仙台宮城など)。
生活・産業
当県の西に奥羽山脈、東に太平洋があり、可住地面積は約43%。この可住地の多くをもたらす平野を「仙台平野」というが、多くが標高200m未満の松島丘陵によって、生活文化や仙台藩以前の歴史は南北に分かれる。
第一次産業において、農業では米作でササニシキとひとめぼれがブランドとして全国的に知られ、畜産では国内で最も呼称制限が厳しい仙台牛がある。漁業では、世界三大漁場の三陸沖漁場に近いため、県内には気仙沼漁港、石巻漁港、塩釜漁港の3つの特定第3種漁港を初めとする142の漁港があり、1県に複数の特定第3種漁港を持つ県は日本国内において宮城県が唯一である。カツオ、サンマ、マグロのほか、カキ、ふかひれ、ホヤなどの特産の水産物を持つ。その他、イチゴやナシなどの果物、仙台白菜を初めとする仙台伝統野菜に山菜など、豊富な食材を多く産出している点から、県は「食材王国みやぎ」を宣伝句に掲げている。