ファンク
ファンク(funk)は、音楽ジャンルの1つであり、その中でもアフリカ系アメリカ人(黒人)起源のブラック・ミュージックのジャンルである。
概要
- 語源
ファンクと言う言葉は、もともとは「土俗的」などの意を含む俗語(スラング)だった。語源としては、クレオールの俗語で「匂い」(転じて体臭)を指す言葉であった。『ファンキー』とは元々はファンクが誕生する以前にファンキー・ジャズ (※ジャズ・ファンクとは異なる音楽ジャンル)に対して使われていた言葉で、ブルース、ソウル、ゴスペルなどの音楽と並んで、黒人生活全般を指す面もあった。「素晴らしい」という訳語がある一方で、「悪臭のする」という訳語もある。ピーター・バラカンによれば、体臭やセックスの匂いを、ファンキー・スメルと呼ぶ場合がある。良い意味にも悪い意味にも使用される。以前は田舎の印象を受ける言葉だったが、現在は都会的な印象を受ける言葉である。このように「ファンク」という言葉は感覚的な言葉であり、明確に日本語に訳すことは難しい。また、アフリカ系の音楽のように、ファンクは典型的には複雑なグルーブとリズム楽器がインターロックグルーヴで構成されており、ビバップで見られる同じ豊かな色の長いコードを使用している。
- サウンドの特徴
ファンク・ミュージックの大きな特徴は、1拍目を強調した16ビートのリズムとフレーズの反復を多用した曲構成である。リズムはファンクを特徴づける大きな要素であり、強調され、ためのあるベースライン、冗長ではなくストイックなリズムギター、分厚いホーンセクションなど、演奏楽器の多くがファンクビートを形成している。これにワウワウギターやクラヴィネット、コンガ、ボンゴが加わることもある。ギターにはカッティングという奏法が多用される。バンドや楽曲ごとにさまざまな特徴があるが、1980年代後半にはニュージャックスウィングやグラウンド・ビート、ハウスなどの台頭により、ファンクは勢いを失っていった。その後は、アフリカやラテン系のリズム、レゲエの要素を取り入れるなど、ジャンルを超えてファンキーな音楽は生き続けている。
出典
百科事典『Wikipedia』「ファンク」