ざるそば
名称
ざるそば
ざるそばが大好きな人
詳しく
==蕎麦(そば)==は、穀物のソバの実を原料とする蕎麦粉を用いて加工した、日本の麺類、および、それを用いた料理である。今日、単に「蕎麦」と呼ぶ場合、通常は蕎麦切り(そばきり)を指す。中華そばなどと区別して日本蕎麦(にほんそば)とも呼ばれる。
歴史は古く、寿司、天ぷらと並ぶ代表的な日本料理である。この蕎麦の調味として作られる「つゆ(蕎麦汁)」は、地域によって色・濃さ・味になどに明らかな違いがあり、その成分も各地によって好みが分かれる。蕎麦を供する場合には皿(竹簾が敷かれている専用の蕎麦皿など)やざる(ざるそば用)、蕎麦蒸籠などが用いられる。蕎麦つゆを供する場合には徳利(蕎麦徳利)と猪口(蕎麦猪口)が用いられることが多い。また汁を張った丼に蕎麦をいれて供するものもある。蕎麦は専門店のみならず、外食チェーンなどのメニューにも載っており、小売店などでも麺が乾麺または茹で麺の状態で販売され、カップ麺としても販売されている。
材料・製法
「蕎麦粉」、「つなぎ」、「水」を用いて作られる(製法は蕎麦粉を参照)。つなぎを用いないこともあり、風味付けの材料を加えることもある。つなぎ(結着剤)は一般的には小麦粉が用いられ、小麦粉に対する蕎麦粉の配合割合によって名称が変わる。他につなぎとして使用されるものは鶏卵(卵切り蕎麦と称する)、長芋・山芋、布海苔(へぎそばと称する)、こんにゃくやオヤマボクチなどがあり、それらを加えることで独特の食感やコシが発生する。 テンプレート:Main
また、風味付けに加えられる素材によって、胡麻切り蕎麦(黒ゴマを使用)、海苔切り蕎麦(海苔を使用)、茶蕎麦(抹茶を使用)などの種類がある。店によってはモロヘイヤ、山椒、タケノコ、ふきのとう、アシタバ、大葉、柚子、若布、梅などの季節の植物を練り込んで出すところもある。
蕎麦は、人力による手打ち、製麺機による製造にかかわらず、通常次の工程により作られる。
- 「水回し」ないし「ミキシング」 - 蕎麦粉とつなぎを混ぜ、加水しながら撹拌し丸い蕎麦玉にする。手打ちの場合は「こね鉢」と呼ばれる木製の鉢を用いる。
- 「木鉢(きばち)」ないし「プレス」 - 蕎麦玉を繰り返し押しつぶすことで練り、粘着性を高める。
- 「延し」ないし「ロール」 - 生地が張りつかないよう打ち粉した上で、薄く圧延し、平たい長方形型にする。手打ちの場合は木製の麺台に載せ、「麺棒」と呼ばれる木の棒を用いて圧延する。
- 「切り」ないし「カット」 - 圧延した生地を幅1 - 2mm程度の線状に切断して麺の形とする。手打ちの場合はまな板に載せ、何層かに折り畳んだ後、「小間板」(駒板)と呼ばれる定規を当てながら蕎麦切り包丁で切断する。
以上により切り出された蕎麦麺を茹で上げれば蕎麦が完成する。
通常、蕎麦はたっぷりの大きな鍋で湯がかれる。茹で上がった麺を取り出す場合には金属製あるいは竹製のザル状になったそば揚げが用いられることも多い。蕎麦を茹でた湯はごく薄い粥のようになる。これを蕎麦湯(そばゆ)という(詳しくは後述)。
食べ方
一般的には以下の食べ方がある。
- もり蕎麦・ざる蕎麦
- 茹でた後にぬめりを取るために冷やしながらそばを洗い、木製か竹製の四角形の器の底にすのこを敷いた蒸篭(せいろ)や笊(ざる)に盛り付ける。「蕎麦猪口」と呼ばれる別の小型の器につゆを入れ、箸で一口分を取ってつゆにつけながら食べる。かけ蕎麦より古い食べ方である。
- つゆの薬味として、摺り下ろしたわさびと刻んだネギが最も用いられる。いずれも、つゆとは別にされ、好みに応じた量がとれるようになっている。わさびはつゆに溶いたり、風味を損なわないように蕎麦に乗せたりする。
- かけ蕎麦
- かけそばは、冷水や氷水で〆てぬめりをとり、熱湯で温め直してから丼に入った熱いつゆの中に入れて食べる。
- 薬味として、小口切りにした長ネギと七味唐辛子がよく用いられる。細かく刻んだ柑橘類の皮や山椒の果皮を入れると、風味が立つ。が、子供には、悪評。
- ぶっかけ蕎麦
- 茹でた後にぬめりを取るために冷やしながらそばを洗い器に入れ、食べる際に別の器に入ったつゆをかけて麺を浸した状態で食べる。器は丼型か、より広口の器が用いられ、深皿のような浅い器も用いられる。また、出水そばや出雲そばのように小型の皿に分けられていることもある。
- 主となる具を、蕎麦の上に綺麗に盛り付ける。盛り付け方は冷やし中華に近い。
(あくまでも、「近い」だけだが…。)
林流だと…… セ〇ンイレブンでざるそばを買う。 普通に食べる。 最後にからしをめんつゆに入れて飲んで終了。
もり蕎麦・ざる蕎麦とぶっかけ蕎麦は冷たいつゆを用い、かけ蕎麦は温かいつゆを用いる。それぞれ「冷たい蕎麦」「温かい蕎麦」と分類されることが多い。ただし温かいつゆのつけ蕎麦や冷たいつゆのかけ蕎麦もあって、これらの言葉は一義的ではない。ちなみに、江戸前そばを中心に冷たいつゆを「辛汁(からつゆ)」、温かいつゆを「甘汁(あまつゆ)」と呼ぶが、高遠そばではみそ味のそばつゆを「からつゆ」、醤油味のそばつゆを「あまつゆ」と呼ぶように蕎麦つゆも呼び方は統一されていない。
新蕎麦の時期に見られる珍しい食べ方として、蕎麦の香り・歯触り・喉越しを楽しむためとして、つゆをつけずに、水や塩をつける方法がある。それも蕎麦が味だけでなく香りを重要視するためである。そうした香りを存分に味わうには、空気を一緒に啜り込み鼻孔から抜くようにして食べることによって存分に賞味できるとされるが<ref>静岡新聞社刊『蕎麦をもう一枚』「大久保の茶屋」店主のコメントより</ref>、例えば「噛まずに一気に飲み込むのが通」という俗説は生粉打ちに近い蕎麦のコシと噛む事で広がる香りが楽しめなくなるため逆効果であるのに<ref>そばの食べ方作法 手打ちそば喜心庵</ref>、通ぶって作法の講釈を好むことは逆に野暮とされる。もともと作法にこだわらずに香りや喉越しを楽しむものであり、音を立てることがマナー上も許されている点で、うどんや中華麺などと並んで世界的に稀有な料理である。
蕎麦好きな人の中には、蕎麦とは香りと歯触りを賞味すべきものであるとして、「蕎麦はもり(そば)に限る」というこだわりを持つ人もいる。食通で有名な文豪・池波正太郎の書生をつとめ、自らも蕎麦好きを自認するルポライターの佐藤隆介は、著書の中で「めんつゆに卵を入れようとしたところ、卵など入れてはいけないと池波にたしなめられた」というエピソードや、ざる蕎麦すら供さない名店のような例を挙げ、蕎麦切り本来の滋味を味わうにはもりが一番であると述べているそう。
林氏は、「なんといっても、セ〇ンイレブンのざるそばが一番うまい。あの、噛みごたえといい、匂いといい…」 といったそうだ。