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2019年6月18日 (火) 22:42時点における最新版
山口大学(やまぐちだいがく、英語:Yamaguchi University)は、山口県山口市吉田1677-1に本部を置く日本の国立大学である。1949年に設置された。大学の略称は山大(やまだい)。目次
概観
当大学は1815年(文化12年)に長州藩士の儒学者上田鳳陽によって創設された私塾山口講堂を淵源とし、明治・大正期の学制を経て、第二次世界大戦後の学制改革で旧制山口高等学校(山口講堂の後身)、山口師範学校・山口青年師範学校、宇部工業専門学校、山口獣医畜産専門学校を統合して1949年(昭和24年)に成立。これに1964年(昭和39年)に山口県立医科大学を移管・統合して現在に至る。2015年(平成27年)には、創基200周年を迎える。本学は、人文学部・教育学部・経済学部・理学部・農学部・工学部・医学部・共同獣医学部・国際総合科学部の9学部12研究科を有している(2018年現在)。2019年(平成31年)4月、大学院教育学研究科教職実践高度化専攻及び大学院教育学研究科学校臨床心理学専攻を設置。
同窓会
- 鴻文会(人文学部)
- 時雍会(教育学部)
- 鳳陽会(経済学部)
- 鴻理会(理学部)
- 農会(農学部)
- 常盤工業会(工学部)
- 霜仁会(医学部医学科)
- 双樹会(医学部保健学科)
- 技経会(技術経営研究科)
山口大学憲章
2007年(平成19年)2月15日に制定された「山口大学憲章」では、広中平祐学長(1996年(平成8年) - 2002年(平成14年))によって提唱された「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」の創造 (Creation of a “Place of Wisdom:Discover it, Nourish it, and Realize it” )、ともに力を合わせ、ともに育みあい、ともに喜びを分かち合う(Fostering the Spirit of Cooperation,Interactive Education,and Sharing) 「共同・共育・共有精神の涵養」、他者への配慮と自らを律する倫理観のもとで、あらゆる偏見と差別を排する「公正・平等・友愛の尊重」 (Respect for Fairness,Equality,and Fraternity)の3つが基本理念として掲げられている。特に、「共同・共育・共有の精神」は「山大スピリット」(Yamaguchi University Spirit)と名づけられている。
『Academi-Q』の配布
「学び」の楽しさを見つけることを目的とする大学情報誌「Academi-Q(アカデミック)」を地域の学校等に配布している。
受賞
- 2015年
- 経済学部経営学科 藤田健ゼミが「インターカレッジコンペティション2015」で最優秀賞を受賞。
- 2016年
- 山口大学が平成28年度「知財功労賞・経済産業大臣表彰」を受賞。
- 2018年
- 8月-
- 医学部附属病院放射線治療部講師と、創成科学研究科准教授らの研究グループが手掛けた「呼吸性移動を伴う腫瘍に対する放射線治療の品質保証の高度化」の成果に関する研究発表が、アメリカ・テネシー州で開催された第60回米国医学物理学会(AAPM)年次講演会にて、優秀研究賞(Best in Physics distinction)を受賞。
- 学生協働交流シンポジウムで国立大学図書館協会賞を受賞。
- 9月-
- 共同獣医学部獣医学科の学生が「平成30年度 日本比較薬理学・毒性学会奨励賞」を受賞。
- 第51回中国地方測量競技大会で山口大学チームが総合3位に入賞。
- 8月-
研究・特色
- ちゃぶ台次世代コーホートAdvanced course
教職経験(正規教員)およそ3年目から20年目頃までの教員と教職大学院生を対象としたミドルリーダー養成研修である。県内数会場を巡回して実施し、研修内容を地域の教育関係者に公開。現職教員と教職大学院生の相乗的学び・相互の高めあいを重視。各地域の教育課題に目を向け、より実践的な研修プログラムを創造している。また、社会変動をふまえた「新しい学びの創造」に関する先進理論や指導のあり方等について探求し、研修や実践等に対する意欲、態度や参画意識等の向上を図ることを目指している。
- 全国初の臨床培養士制度の教育機関認定
2018年(平成30年)、山口大学大学院医学系研究科保健学専攻(博士前期課程)が、全国初の「臨床培養士制度」の申請条件を満たす教育機関に認定。2015年(平成27年)度より、全国で初めて臨床検査技師の国家資格取得者等を対象に、より高度な医療専門職を育成する同コースを開設し、2017年(平成29年)以降11人を医療関連企業等へ送り出している。
- 先端実験動物学研究施設が、米国AAALACインターナショナル完全認証を取得
ARCLASは、2015年に全学教育研究施設である大学研究推進機構総合科学実験センターに設置され、マウス、ラット、モルモット及びウサギなどを主とする小型、中型実験動物の飼養保管及び実験動物に関する国際水準の実験動物学の教育及び有用な実験動物の開発、研究並びに情報収集を行い、獣医学及び関連領域の教育研究活動を支援。本学共同獣医学部は、国際水準の獣医学教育を目標に掲げており、この認証取得は、動物福祉に配慮した教育研究体制の充実に努めてきた成果である。
- やまぐち未来創生人材育成プログラム
2015年度からやまぐち未来創生人材育成プログラムを開始。これは地域が求める人材を育成するため、山口県内の企業・自治体や他大学と連携して行われる。萩市や周防大島町等、県内各地で行われる他大学生とのフィールドワーク型合同合宿授業や課題解決型インターンシップなど、地域に出て実践的に学ぶことにより、課題発見・解決力や協働力といった地域社会が求めている力を身に付けることを目的とする。2015年設置の国際総合科学部では、2年次に10月から1年間の海外留学を行う。留学先の文化・歴史等に触れながら、国際社会で活躍するための幅広い知識と視野・高いコミュニケーション能力の取得を目指している[1]。
- 生きた細胞組織を、高校の教育現場・一般的設備等で、観察可能な実験キットの開発
緑色蛍光たんぱく質(GFP)などを利用し、生きた細胞の組織を高校などの一般的設備で観察できる安価な実験キットを開発。GFPは、海洋生物学者の下村脩が発見し、ノーベル化学賞を受賞した技術。
キットは、同大学院創成科学研究科の内海俊彦教授(生化学)らが開発。GFP遺伝子を組み込んで一定の時間がたった細胞組織に青色LEDの光を当てると、緑色に光る性質を応用し、室温で培養したカイコの細胞に、普通の顕微鏡の横から青色LED光を当てて観察する方法を考案(従来は、約70万円〜数千万円する蛍光顕微鏡等の設備が必要。大学や研究機関以外での細胞の増殖などの観察は困難とされた)。
研究のきっかけは、山口大が開催する、生徒に理科の楽しさを「見せる」授業方法を学ぶ高校教師向け講習会。現場の教師から、‘‘安価な方法で生徒たちに見せたい’’と依頼を受け、約2年間費やし、製品化を実現。キットには赤く光る別の蛍光たんぱく質の遺伝子も入り、細胞組織の核なども観察可能[2]。
評価
- 世界大学学術ランキング2011にて、401〜500位[3]。QS世界大学ランキング2015-2016にて、18位。2016年、THE世界大学ランキングにて801位[4]。QS世界大学ランキング2017-2018(国内版)にて、20位[5]。 2018年THE世界大学ランキング(国内版)39位。THE世界大学ランキング2019にて、1001位[6]。2016年「公務員就職で本当に強い大学200」ランキングにて15位[7] 、2017年、「公務員試験大学別ランキングトップ100」にて3位(国家公務員)[8]。2018年、日本学術振興会より、大学教育の質向上を目指す再生加速プログラムの中間評価にて、山口大学にS評価2018 。2017年「上場企業全役員の出身」国内121大学ランキングにて、53位[9]。2018年「グローバル教育で評価高い」100大学ランキングで、34位[10]。2018年「有名企業400社の実就職率」が高い200大学ランキングにて、102位[11]。国立大学の「寄付金収入」86大学ランキングで、31位[12]。
イベント
- 学園祭
山口大学における学園祭としては次の5つが挙げられる。
姫山祭
毎年11月上旬に、大学祭実行委員会が主体となって吉田キャンパスにて行われる学園祭であり、今までに69回開催されている。山口大学の学園祭の中心的な存在となっていて、有名芸人(2016年度メイプル超合金、三拍子)のライブや、有名アーティスト(2018年度はSHE'S、Halo at 四畳半)のライブが行われている。また共通教育棟前の広場では、大学祭実行委員会が企画した小規模なイベントが連続して開催されており賑わいを見せている。姫山祭恒例の河豚鍋奉行も振る舞われる。また、大学のマスコットであるヤマミィの誕生日が11月12日であることから、誕生日会の企画も行われている。ちなみに2018年度第69回姫山祭のテーマはROCK YOU!であった。
医学祭
毎年11月中旬に、医学祭実行委員会が主体となって小串キャンパスにて行われる学園祭である。今までに74回開催されており、姫山祭と同様に有名芸人(2018年度はハイキングウォーキング、大西ライオン、フロントライン)のライブや有名アーティスト(2018年度はねごと、the peggies)のライブが行われている。また著名人による講演(2018年度は永山久夫)が行われるほか、ミスコンも行われている。医学部の各部活による模擬店や医療系サークルによるブース企画、ドクターヘリ展示など医学系の企画を中心として、敷地は広くないもののかなりの賑わいをみせている。ちなみに2018年度第74回医学祭のテーマは笑医ん祭! -We're In SMILEs-であった。
常盤祭
毎年11月下旬に、常盤祭実行委員会が主体となって常盤キャンパスにて行われる学園祭である。今までに69回開催されており、こちらは有名アーティスト(2018年度はBLUE ENCOUNT)のライブが主なプログラムとなっている。ちなみに2018年度第69回常盤祭のテーマは時はロック! であった。
七夕祭
毎年7月に、山口大学の学生寮である吉田寮および椹野寮の寮生によって結成された、七夕祭実行委員会が主体となって行われる学園祭である。今までに46回開催されており、上記の3つの学園祭のように有名芸能人やアーティストによるライブはないものの、山口大学の公認サークルおよび非公認サークルがこぞってステージ発表を行ったり模擬店を出店したりしていて、模擬店の数は120店を超える。また七夕祭実行委員会の部署の1つである備品部によって手作りの神輿が練り歩くほか、旅行などが当たる大ビンゴ大会が開かれるなど、他の山口大学の学園祭にはないほどの活況を呈している。この祭りに対する寮生の意識は非常に高く、七夕祭の開催3ヶ月前にもかかわらず七夕祭実行委員会のしるしである法被を着て、学生生活を送っている。
- わん!!~学生と地域の人々を繋ぐお祭り~
毎年10月に、山口大学のサークルの1つである山口大学よさこいやっさん!!が主体となって行われる学園祭である。この祭りの背景として、吉田寮の全面改築工事によって2010年度の新入寮生が減少してしまったために、2010年度の七夕祭が開催できなくなってしまった経緯があった。その七夕祭の代替としてその年から始まったのがこの祭りである。主によさこいライブや演舞指導が行われるが、模擬店も出店している。またテーマにあるように地域に根付いた祭りであるため、産直販売も行われている。好評であったために2011年以降も継続して開催されている。
- 新人さんいらっしゃ~い!
毎年入学式前の4月に、山口大学生協学生委員会が主体となって行われる、山口大学の新入生を対象としたイベントである。新入生同士が初めて顔を合わせる場となっており、グループを作ってゲームを楽しんだり学部学科別に分かれて話をしながら、生協学生委員である上級生に大学生活に関することといった質問をすることも可能である。参加者は両日で1,000人を超える。
- 新入生歓迎フェスティバル
毎年入学式後の4月に、大学祭実行委員会が主体となって行われる。山口大学の新入生に対してサークルなどの紹介を行うイベントである。新入生はここで山口大学の公認サークルおよび非公認サークルを知ることができ、気になったサークルがあれば配布されるパンフレットを見てブースを探し、そのサークルの紹介を上級生からしてもらうことになる。また共通教育棟前の広場では、主に体育会のサークルのアピールタイムが設けられており、パフォーマンスを行っている。新入生・上級生合わせて約4,500人が参加し、賑わいを見せている。
- 学長杯争奪駅伝大会
毎年11月に、体育会総務部が主体となって行われる。今までに64回開催されており、参加者も多く伝統ある行事となっている。体育会男子の部・女子の部・一般の部と分かれている。前日までに参加者によるコース確認が念入りに行われる。当日は、学長の挨拶から、応援団のエールで始まり、スターターは学長自らが行う。競技の終わりには体育会による豚汁が参加者にサービスされる。
大学公式キャラクター
ねこをモチーフにしたヤマミィ(Yama-Me)が存在する。LINEスタンプもある。「発見」が趣味の山口大学公式キャラクターとして登場。(ただし、デザインは商標登録されている)溢れるバイタリティーと、フットワークの軽さが持ち味である。
学生への取り組み・卒業生、地域との交流
- ワンコイン朝食を実施
学生が朝食を摂ることで健康管理や生活習慣を改善し、学業に専念できる生活リズムを整えることを目的に「ワンコイン朝食」を新入生を対象に吉田キャンパス、常盤キャンパスで実施。
- ホームカミングデーの実施
当大学では、卒業生との繋がりや地域の方々との絆を深めること、卒業生や地域の方を大学に歓待することを目的に平成25年度からホームカミングデーを開催。