NHK紅白歌合戦
『NHK紅白歌合戦』(エヌエイチケイこうはくうたがっせん)は、日本放送協会 (NHK) が1951年から大みそかに放送している男女対抗形式の大型音楽番組。日本の長寿番組の一つ。通称は『紅白』。
第1回(1951年) - 第3回(1953年1月)までは正月の放送。大みそか(12月31日)の放送は第4回(1953年12月)から。よって1953年は放送が2回あった。
放送時間は第62回(2011年)以降のもの。20:55 - 21:00は『NHKニュース』を放送。デジタル双方向機能対応番組。
概要
女性アーティストを紅組(あかぐみ)、男性アーティストを白組(しろぐみ)に分け、対抗形式で歌や演奏を披露する。当初は正月のラジオ番組であったが、NHKがテレビ放送を開始した後は大晦日の夜に移動し、「1年の締めくくり」の代名詞となる。放送が延期・中止されたことは1度もない。
日本を代表する人気歌手が大勢出演し、さらに歌手以外のゲストなどもその年人気を博した人物が選出されるため、放送開始当初から高視聴率を記録、深夜に及ぶ時間帯の番組でありながら、年間視聴率の上位に食い込み、多くの年で通年の最高値を弾きだしている。そのため国民の関心は高く、年の瀬から正月にかけて、新聞、雑誌から、商売敵である民放局までが紅白に関する話題を取り上げる。
上述の通り、紅白の両組対抗形をとるが、番組の進行の上ではあくまでショーとして番組を構成する要素の一つであり、決して「対抗」を前面に押し出しているわけではない。ただし、あくまで形式上は「対抗」であるため、その組み合わせの枠の中に入る歌手は、正式には「番組出演」ではなく「紅白歌合戦出場」と呼ばれる。
出演者に対しては正式発表まで厳重な「緘口令」が敷かれ、原則NHK側からその都度発表される。一方で特に司会者と出場歌手の人選は注目を集め、大衆紙などでは正式発表の時期に「関係者からのリーク」として予想記事が出されることがある。
司会者
その年の紅白の「顔」ともいうべき存在で、例年その年の出演者の内で最も早く決まる(10月後半-11月)。正式決定とともに、本人出席のもとで記者会見がNHK放送センターで行われる(会見を行わず、広報を通じてコメントを発表するのみにとどめる年もある)。
通常、「紅組司会」、「白組司会」、「総合司会」の三者がいる。紅組司会と白組司会は、それぞれの組の曲紹介を、総合司会は番組全体の進行や両組司会のサポートを分担してこなす。紅組司会は数例の例外を除き女性が担当、白組司会は例外なく男性が担当する。紅組司会と白組司会はテレビタレントが、総合司会はNHKアナウンサー(東京アナウンス室在籍)が担当することが多い(両組司会にもアナウンサーが起用される年あり)。全員の内、アナウンサーは必ず、最低1名は入っている。これは紅白生放送中にアクシデント(重大事件・事故・災害や、本番中でのいわゆる放送事故など)が発生したり、芸能人司会者が本番直前にアクシデント(病気・負傷・不祥事など)により出演不能となった場合の対応のためである。両組・総合司会は通常それぞれ1人ずつだが、複数名が担当した第37回(1986年)、グループが担当した第61回(2010年)- 第65回(2014年)、三者の枠を取り払った第56回(2005年)などの例外がある。
司会担当者は、他の長時間番組や音楽番組と比べて、特定の人物が何回も続けて担当することは少なく、場合によっては司会未経験のタレントがいきなり抜擢されることもある。紅白の台本は、生放送という関係上非常に細かく設定されており、進行上アドリブの必要性は少なく、あくまで「司会者」を演じる役者的性質が強いためである。司会が歌手の場合は、出場歌手を兼ねる場合もある。
伝説の神回となった2018年紅白歌合戦
平成最後の紅白歌合戦として、今まで以上の顔触れと演出で、高視聴率40%を突破した数値を叩き出した。 漫画家・コラムニストの辛酸なめ子曰く、 「『紅白歌合戦』を観てからしばらく経つのに、大量の情報を脳がまだ処理できていない感があり、 番組のなかで、総合司会の内村光良氏が「近年まれに見るカオス」と、天童よしみのパフォーマンスの感想を言う場面がありましたが、その曲に限らず、全てのデータが重い感じ、前半で曲に集中できたのは、三代目 J Soul Brothersの『R.Y.U.S.E.I.』。普通にかっこいいと思ってボーッと見ていられる感じであったが、そのような受動的な態度を後半に登場したチコちゃんに叱られる流れに。郷ひろみの『GOLDFINGER'99~GO!GO!2018~』あたりから、カオスの気配が漂い始めた。サッカーや甲子園、『カメラを止めるな』など今年話題になった事象の再現小芝居が行われる中、歌いながら歩いていく郷ひろみ。その後、刀剣男士の紹介があり、知らなかったことに焦りを覚えつつ、カルチャー吸収モードに。Little Glee Monsterの『世界はあなたに笑いかけている』は、曲を聴いたら聞いたことがあって安堵。しかし200人の学生さんも歌に参加って多すぎるような……。しかも衣装が皆さん原色で、ポジティブ圧が半端ない。山内惠介が演歌を歌う背後で刀剣男士が刀を振りまわすのもシュール。とにかく多人数だったりコラボだったり企画ものが多くて、それぞれ瞬時に場面や人間関係を理解しなくてはならない。「最近の曲を知ることができて良かった~」とか気楽な感じで言っている場合ではなく、「星野源がなぜか女装して、高畑充希がおじさんの扮装をしているのは、何の番組の設定?」と、知らなかったら番組名を調べ、彼らのストーリーや関係を即座に頭に入れないと、どんどん取り残されていく。曲ごとにストーリーやドラマがあったりして追うのが大変なうえ、さらに番組内で内村氏がディレクターの三津谷氏というキャラを演じたりするので、脳が混乱。平成の終わりに、新しい時代の変化についていけるように脳を鍛えてくれている番組。さらに前述のカオスのようなコラボの数々。少年たちが扮したミニ三津谷氏がたくさん出てきてSexy ZoneやKing & Princeと共演したり、Hey! Say! JUMPが男子チアとコラボしたり、水森かおりがマジシャンによって消えたり……。YOSHIKIがサラ・ブライトマンとコラボした曲はシュールすぎる絵で頭に歌が入ってこないほど。三山ひろしが演歌を歌いながらけん玉世界記録に挑戦という企画は、 曲とけん玉、どちらに集中していいかわからなくなり、現代人は飽きっぽいから要素が複数必要なのかもしれない。そして天童よしみの『ソーラン祭り節2018~どさんこver.~』は「みんなの筋肉体操」のマッチョな3人、カーリングのロコ・ソラーレ、ソーラン節と、盛り込みすぎていたり、曲の最後は「そだねー」と流行語を放っている。流行とか話題のものをフィーチャーする人が多いなか、変わらない松田聖子や松任谷由実、サザンオールスターズ、北島三郎などの方々には鉄板の安心感があった。あいみょんや星野源、Suchmos、米津玄師といったニュースターも、先輩方の第一線での変わらぬ活躍ぶりから学ぶものがあったかもしれない。年増の視聴者としても若いカリスマのヴァイブスを感じることができて良かった。また今回気付いたのは、星野源は歌う前と後で、2割くらいイケメン度がアップする、という微妙な変化。今回紅白を真剣に観ていたら、情報データの容量が重すぎて後半、時々意識が飛びそうになったところ、脳疲労を癒してくれたのは広瀬すずや乃木坂46のかわいさ。疲労と癒しが交互に訪れた紅白歌合戦。何ギガかわかりませんが、観ているだけでダウンロードして最新版にアップグレードできた気がした。」と評しており、ネットでも、神回と称されている(今年の紅白はカオス! 2019年1月2日)。
出典・参考
- Wikipedia「NHK紅白歌合戦」
- Yahoo!ニュース『今年の紅白はカオス!』2019年1月2日 コラムニスト辛酸なめ子氏
- ゴールドペディア「紅白歌合戦」