北陸先端科学技術大学院大学
概要
1990年開学。主に産官学連携を初めとする高度な科学技術に関する研究開発を行う、学部を持たない大学院大学である。いしかわサイエンスパーク (ISP: Ishikawa Science Park) の中核を成す教育研究機関でもある。
日本初の独立した研究教育組織とキャンパスを持つ大学院大学であり、最先端の科学技術の追究と共に、大学院大学のパイロットスクールとしての役割を開学以来継続して担ってきた。インターネット・サービス・プロバイダと同等の学内情報ネットワーク設備(学内情報ネットワーク自体が独立した自律システムとして設計されており、インターネットの中核を担うBGPの運用が行われている。学内情報ネットワークには2つのAS番号である17932,55384が付与されている)や、スーパーコンピュータ(CRAY社製、SGI社製等)等の情報設備が整備されている。
NICTのプロジェクトにJAISTが参加する形になっているが、研究用のIaaSであるStarBEDの研究・開発・運用も行っており、書類審査を通過すればインターネット・エミュレーションも可能である。没入型3次元仮想現実体感システムCAVEなどもある。このような高度な設備環境は旧帝国大学すら凌いでおり、少なくとも国内では最も高度な設備が整備されている大学の1つであると言える。
キャンパスの場所と気候条件
様々な研究室や研究設備が設置されているJAIST石川キャンパスは、石川県能美市の丘陵地の森林を開拓して設置された。石川県能美市 に大学本部を置く大学であるが、東京都・品川の品川インターシティにもサテライトキャンパスを持ち、東京でシンポジウム・セミナー等を頻繁に開催している。石川キャンパスの場合、北陸地方の能登半島の付け根の地区に設置されている。この地区は冬に日本海沖で積乱雲が発達するため、降雹,降雪,冬季雷の発生が非常に多いことで知られている(メカニズムに関しては湖水効果雪を参照)。冬季雷の発生は世界的に珍しく、日本の北陸地方とノルウェーの大西洋沿岸とアメリカの五大湖東部でしか見られない。冬季の1月から3月に掛けて、北陸地方では大量の積雪があり、JAIST石川キャンパス内でも積雪が70cm以上に達する事がある。そのような場合には外出が危険であるため休講になり、公共交通機関も運行休止になる場合がある。
理念・目標
- 理念
北陸先端科学技術大学院大学は、豊かな学問的環境の中で世界水準の教育と研究を行い、科学技術創造により次代の世界を拓く指導的人材を育成する。
- 目標
先進的大学院教育を組織的・体系的に行い、先端科学技術の確かな専門性とともに、幅広い視野や高い自主性、コミュニケーション能力をもつ、社会や産業界のリーダーを育成する。
- 世界や社会の課題を解決する研究に挑戦し、卓越した研究拠点を形成すると同時に、多様な基礎研究により新たな領域を開拓し、研究成果の社会還元を積極的に行う。
- 海外教育研究機関との連携を通して学生や教員の交流を積極的に行うとともに、教育や研究の国際化を推進し、グローバルに活躍する人材の育成を行う。