女子美術大学

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女子美術大学(じょしびじゅつだいがく、英語: Joshibi University of Art and Design)は、東京都杉並区和田一丁目49番8号に本部を置く日本の私立大学である。1949年に設置された。大学の略称は「女子美(じょしび)」。

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概観

東京5美術大学(多摩美術大学武蔵野美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部)の一校である。
1900年、当時男子校で女学生の入学を認めていなかった東京美術学校に対峙し創設された「私立女子美術学校」が前身。私立美術学校としては最も歴史が長く、多くの女性美術家やデザイナー、クリエーターを輩出している。
女子美術専門学校を経て1949年に新制大学として発足。1994年に大学院課程を設置。大学院課程は男女共学。
美術大学としては唯一の首都圏西部大学単位互換協定会協定校。美術系大学連絡協議会参加校。
日本で唯一の美術大学付属校として女子美術大学付属高等学校・中学校を併設している。
地方自治体(杉並区、相模原市、横浜市、佐倉市、韮崎市)、大学・研究機関(東京理科大学、沖縄県立芸術大学、東京工業大学、学校法人北里研究所、学校法人順天堂、水産総合研究センター)との連携に積極参加し、社会実践的アート活動を展開している。

建学の精神

  1. 芸術による女性の自立
  2. 女性の社会的地位向上
  3. 女子芸術教育者の育成


沿革

  • 1900年 - 私立女子美術学校設立。発起人は横井玉子、藤田文蔵他2名。
  • 1901年 - 東京市本郷区本郷弓町(現在の東京都文京区本郷)の弓町校地で開校。経営難から順天堂院長夫人佐藤志津の後援を受ける。
  • 1908年 - 弓町校地が火災により焼失。
  • 1909年 - 本郷菊坂町に菊坂校地が落成し弓町より移転。
  • 1915年 - 私立女子美術学校付属高等女学校開校。
  • 1916年 - 私立女子美術学校付属高等女学校を私立佐藤高等女学校へ改称。
  • 1917年 - 設置母体を財団法人私立女子美術学校へ改称(同年2月)。私立女子美術学校同窓会(現・女子美術大学同窓会)を設立。
  • 1919年 - 私立女子美術学校を女子美術学校へ改称。
  • 1928年 - 菊坂校舎の老朽化と狭隘化により新校地を豊多摩郡和田堀町和田に取得(同年6月)。
  • 1929年 - 旧制専門学校に昇格。女子美術専門学校へ改称。
  • 1935年 - 杉並校地が落成し女子美術専門学校が和田本町(現在の和田)へ移転。
  • 1945年 - 空襲により菊坂校地が全焼。私立佐藤高等女学校が杉並校地へ移転。
  • 1947年 - 学制改革により新制佐藤中学校開設。
  • 1948年 - 新制佐藤高校発足。
  • 1949年 - 女子美術大学発足。
  • 1950年 - 財団法人女子美術大学を学校法人女子美術大学へ改称(同年3月)。女子美術大学短期大学部を併設し服飾科を設置(同年4月)。
  • 1960年 - 創立60周年記念祭挙行。
  • 1961年 - 和田寮が落成。
  • 1962年 - 女子美術短期大学部を女子美術短期大学へ改称。
  • 1965年 - 神奈川県茅ヶ崎市に茅ヶ崎校地を建設。
  • 1966年 - 芸術学部美術学科を絵画科・産業デザイン科・芸術学科に改組。高円寺寮が落成。
  • 1967年 - 茅ヶ崎校地が落成し短期大学専攻科絵画専攻科を設置。高円寺寮2階に女子美術大学画廊を設置。
  • 1968年 - 茅ヶ崎校地に女子美術大学付属幼稚園を開園。
  • 1980年 - 創立80周年記念式典挙行。女子美術大学八十年史を発行。
  • 1989年 - 相模原校地の開校に伴い茅ヶ崎校地閉鎖を決定。付属幼稚園の園児募集を停止。
  • 1990年 - 相模原校地が開校。茅ヶ崎校地の売却に伴い付属幼稚園を閉園。専攻科絵画専攻科は杉並校地へ移転。創立90周年記念式典を挙行。
  • 1991年 - 高円寺寮を閉寮。
  • 1994年 - 大学院美術研究科前期博士課程を相模原校地に設置。
  • 1996年 - 大学院美術研究科後期博士課程を相模原校地に設置し杉並校地に「ガレリア ニケ」を開設。
  • 2000年 - 創立100周年記念式典挙行。女子美術大学百年史を発行。
  • 2001年
    • 芸術学部立体アート学科・メディアアート学科・ファッション造形学科を設置。
    • 創立100周年記念棟完成。
    • 相模原校地に女子美術大学美術館(女子美アートミュージアム)落成。
  • 2005年 - 大学院美術研究科芸術文化専攻を設置。
  • 2007年
    • 杉並校地の整備事業を開始。「ガレリア ニケ」を閉廊し学外ギャラリー「女子美ガレリア ニケ」を設置。
    • 芸術学部1年次(杉並校地)を相模原校地へ移設し芸術学部の完全移転が完了。
  • 2008年 - 「女子美ガレリア ニケ」を銀座に移設し学外ギャラリー「銀座gallery女子美」へ改称。
  • 2009年 - 和田寮を閉寮(同年3月)。同窓会運営母体を法人格へ昇格させ、一般社団法人女子美術大学同窓会を新設(同年6月)。
  • 2010年
    • 芸術学部の学科・専攻課程を再編し杉並校地にアート・デザイン表現学科を設置。 
    • 創立110周年記念式典を挙行。
  • 2012年
    • 「銀座gallery女子美」を閉廊し杉並校地へ移設。「女子美ガレリア ニケ」へ再改称。
    • 「Joshibi Art Gallery」を上海に開廊。
    • 芸術学部美術学科美術教育専攻を設置。
  • 2013年 - 杉並校地の整備事業を完了。学校法人女子美術大学と一般社団法人女子美術大学同窓会が連携協働に関する協定を締結。
  • 2014年 - 芸術学部美術学科芸術文化専攻の設置に伴い芸術表象専攻の募集を停止。杉並校地に大学院美術研究科デザイン専攻アートプロデュース(AP)研究領域を設置。
  • 2015年 - 女子美術大学付属高等学校・中学校創立100周年記念式典を挙行。

美術館・ギャラリー

  • 女子美アートミュージアム(略称:JAM)(相模原キャンパス)

大久保婦久子、片岡球子、郷倉和子、多田美波、三岸節子をはじめとした女子美術大学出身の作家や、女子美術大学にゆかりの深い美術家の作品を中心に収集。2009年に旧カネボウコレクションの一部を所蔵したことにより、収蔵品は約15,000点となった。特に染織品は古代から現代までの世界の染織品を網羅した国内最大級のコレクション数を誇る。大学院生や教員作品の展示、美術館収蔵の歴史的資料の展示も行われる。

  • 女子美ガレリア ニケ(Joshibi Galleria nike)(杉並キャンパス)

社会に開かれたギャラリーを目的に開設されたギャラリー。杉並キャンパス整備計画に伴い2012年に再設置された。ギャラリー内には女子美術大学開校115年の歴史と人物を紹介する「歴史資料展示室」を併設している。年間を通して実践的アート企画展を開催している。

  • Joshibi Art Gallery(中国上海市)

2012年11月に日中国交正常化40周年を記念し上海市蘇州河沿い(莫干山路50号(M50))の芸術家街に開設されたギャラリー。日本の美術大学としては初となる海外常設ギャラリーである。女子美術大学卒業生を中心に若手アーティストや海外アーティストと連携した作品を一般公開している。

出典・参考

脚注・外部リンク