上智大学

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上智大学(じょうちだいがく、英語: Sophia University)は、東京都千代田区紀尾井町7番1号に本部を置く日本の私立大学である。1928年に設置された。大学の略称は上智(じょうち)、Sophia(ソフィア)。
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概観

世界最大の教育機関運営組織(在学生は全世界で約290万人)でもあるカトリック修道会イエズス会が開設し、現在は学校法人上智学院が経営する大学である。中部地方のカトリック・ミッション校である南山大学と姉妹関係があるほか、各国のイエズス会系校と提携関係がある。 1549年、カトリック教会イエズス会の宣教師であったフランシスコ・ザビエルが、日本での高等教育機関開設を構想したものの、禁教令により叶わず、改めて1900年代にローマ教皇ピウス10世が、日本での高等教育機関設立をイエズス会に託したことで、1913年に設立された。
上智大学において、イエズス会士やカトリック信者の教員は少なくはないが、カトリックとほぼ無縁の生活を送る学生や教員も多い。ただし、神学部の学生でなくても、聖書やキリスト教に関して信仰や理解を深めたり、聖イグナチオ教会などで祈りを捧げることは可能である。
日本国外からの留学生も宗教に関わらず、キリスト教他派教徒・仏教徒・イスラム教徒・ヒンドゥー教徒などがいる。
上智大学の教員は、原則として「Cコード」が課せられていないため、カトリック信徒もしくはキリスト者であることは要件とされていない。

建学の精神

上智の名はカトリック教会の祈りである「聖マリアの連祷」のなかにあるSedes Sapientiae(上智の座)から名づけられたといわれている。「ソフィア」の原義はギリシア語のσοφίᾱ(知恵)で、神の叡智を示しており、上智大学は大学名そのもので理念や建学の精神を表している。

三つの教育精神

  • “Men and Women for Others, with Others”「他者のために、他者ととも生きる」
  • “Multidisciplinary Network”「学際的なネットワーク」
  • “Global Competency”「グローバル社会に対応できる能力」

沿革

  • 1549年 - 聖フランシスコ・ザビエルの来日。日本人の資質を高く評価し、日本の首都に神学部、法学部、医学部を含む総合大学をという希望をローマへ書き送る。上智大学では、同学のウェブサイトにおいて、これが「上智大学設立に結びついた」としている。
  • 1906年 - 教皇ピウス10世がイエズス会に対し、日本への高等教育機関設置を要請。
  • 1908年 - 3人のイエズス会員、ヨゼフ・ダールマン(ドイツ語版)(独)、アンリ・ブシェー(仏)、ジェームズ・ロックリフ(英)が来日。
  • 1911年 - 財団法人上智学院設立。
  • 1913年 - 専門学校令により上智大学(哲学科、独逸文学科、商科)を設立、ヘルマン・ホフマンが初代学長に就任。
  • 1920年 - 聖アロイジオ塾(学生寮の前身)が発足。
  • 1923年 - 関東大震災の余震により赤レンガ校舎が倒壊。
  • 1928年 - 大学令による上智大学(文学部哲学科、文学科・商学部商学科)を設立。
  • 1931年 - 新校舎(現1号館)の竣工。
  • 1932年 - 専門部(経済科、法科、商科、新聞学科)を開設。
  • 1933年 - 上智大生靖国神社参拝拒否事件が発生。
  • 1935年 - 初めてアメリカのジョージタウン大学に学生を送る。
  • 1943年 - 本学学生が学徒出陣壮行会に参加、経済学部(商学部から改称)を閉鎖。
  • 1944年 - 興亜工業大学(現千葉工業大学)が学院内に移転、興亜工業大学との吸収合併問題が発生する。
  • 1946年 - 公開講座(公開学習センターの前身)を開講。
  • 1948年 - 新制大学へ改組(文学部哲学科・史学科・英文学科・独逸文学科・新聞学科、経済学部経済学科・商学科)、文学部哲学科にローマ聖座立認可。
  • 1949年 - 国際部を設立。
  • 1951年 - 私立学校法による学校法人上智学院を設立、大学院神学研究科(神学専攻)、哲学研究科(哲学専攻)、西洋文化研究科(西洋文化専攻)、経済学研究科(経済学専攻)修士課程を開設。
  • 1952年 - 文学部に教育学科増設。
  • 1955年 - 文学部に外国語学科(英語、ドイツ語、フランス語、イスパニア語各専攻)を増設。大学院に神学研究科(組織神学専攻)、哲学研究科(哲学専攻)、西洋文化研究科(英米文学専攻、ドイツ文学専攻)、経済学研究科(経済制度・組織専攻)の博士課程を開設。
  • 1957年 - 女子学生の入学を許可。法学部法律学科を開設。文学部外国語学科にロシア語専攻を増設。
  • 1958年 - 神学部神学科を開設。文学部外国語学科を外国語学部(英語学科、ドイツ語学科、フランス語学科、イスパニア語学科、ロシア語学科)へ改組(文学部外国語学科を廃止)。
  • 1959年 - 文学部に国文学科を開設。
  • 1962年 - 理工学部(機械工学科、電気・電子工学科、物理学科、化学科)を開設。
  • 1964年 - 外国語学部にポルトガル語学科を開設。
  • 1965年 - 理工学部に数学科を開設、化学科に化学専攻、応用化学専攻を設置。神学部神学科にローマ聖座立認可。
  • 1966年 - 文学部に社会学科、フランス文学科を開設、大学院文学研究科(教育学専攻)、法学研究科(法律学専攻)、理工学研究科(機械工学専攻、電気・電子工学専攻、応用化学専攻、化学専攻、物理学専攻)の修士課程を開設。大学院西洋文化研究科(西洋文化専攻)の修士課程を文学研究科(史学専攻、英米文学専攻、ドイツ文学専攻)の修士課程に改組。大学院西洋文化研究科(英米文学専攻、ドイツ文学専攻)の博士課程を文学研究科(英米文学専攻、ドイツ文学専攻)の博士課程に改組。
  • 1968年 - 大学院文学研究科に教育学専攻、日本史学専攻の博士課程を設置。大学院文学研究科に国文学専攻、フランス文学専攻の修士課程を設置。大学院に法学研究科(法律学専攻)、理工学研究科(機械工学専攻、電気・電子工学専攻、応用化学専攻、化学専攻、物理学専攻)の博士課程を開設。経済学部商学科を経営学科へ名称変更。
  • 1969年 - 大学院理工学研究科に数学専攻の修士課程を開設。
  • 1970年 - 大学院文学研究科に国文学専攻の博士課程を開設。大学院外国語学研究科(言語学専攻)修士課程を開設。
  • 1971年 - 大学院文学研究科にフランス文学専攻の博士課程を開設。大学院文学研究科の日本史学専攻博士課程を史学専攻博士課程に改組。大学院文学研究科に新聞学専攻の修士課程を開設。大学院外国語学研究科に国際関係論専攻の修士課程を開設。
  • 1972年 - 大学院文学研究科に社会学専攻の修士課程を開設。大学院理工学研究科に数学専攻の博士課程を開設。
  • 1973年 - 大学院外国語学研究科に言語学専攻、国際関係論専攻の博士課程を開設。
  • 1974年 - 大学院文学研究科に新聞学専攻、社会学専攻の博士課程を開設。
  • 1975年 - 外国語学部に日本語・日本文化学科を開設。
  • 1976年 - 文学部教育学科心理学専攻を文学部心理学科へ、社会学科社会福祉学専攻を文学部社会福祉学科へ改組(文学部の教育学科心理学専攻、社会学科社会福祉学専攻は廃止)。大学院学則を改正し、修士課程を博士前期課程に、博士課程を博士後期課程に変更。
  • 1977年 - 外国語学部日本語・日本文化学科を外国語学部比較文化学科へ名称変更。
  • 1978年 - 大学院理工学研究科に生物科学専攻の修士課程を開設。
  • 1979年 - 大学院外国語学研究科に比較文化専攻の修士課程を開設。
  • 1980年 - 法学部に国際関係法学科を開設。
  • 1981年 - 大学院理工学研究科に生物科学専攻の博士後期課程を開設。
  • 1987年 - 外国語学部比較文化学科を比較文化学部(比較文化学科、日本語・日本文化学科)へ改組。
  • 1992年 - 大学院文学研究科に心理学専攻の修士課程を開設。
  • 1993年 - 外国語学部比較文化学科を廃止。
  • 1994年 - 大学院文学研究科に心理学専攻の博士後期課程を開設。
  • 1997年 - 大学院外国語学研究科に地域研究専攻の博士課程(前期・後期)を開設。法学部に地球環境法学科を開設。
  • 2001年 - 大学院文学研究科心理学専攻博士前期課程に臨床心理学コースを開設。
  • 2004年 - 大学院法学研究科に法曹養成専攻(法科大学院)を開設。
  • 2005年 - 文学部教育学科、心理学科、社会学科、社会福祉学科を総合人間科学部教育学科、心理学科、社会学科、社会福祉学科へ改組。大学院文学研究科の教育学専攻、心理学専攻、社会学専攻博士課程(前期・後期)を大学院総合人間科学研究科教育学専攻、心理学専攻、社会学専攻、社会福祉学専攻博士課程(前期・後期)に改組。大学院に地球環境学研究科(地球環境学専攻)博士課程(前期・後期)を開設。
  • 2006年 - 比較文化学部(比較文化学科、日本語・日本文化学科)を国際教養学部(国際教養学科)へ改組。大学院外国語学研究科国際関係論専攻、地域研究専攻の博士課程(前期・後期)をグローバル・スタディーズ研究科国際関係論専攻、地域研究専攻博士課程(前期・後期)に改組。大学院外国語学研究科比較文化学専攻修士課程をグローバル・スタディーズ研究科グローバル社会専攻博士前期課程に改組し、グローバル社会専攻博士後期課程を開設。
  • 2007年 - 大学院経済学研究科に経済学専攻の博士後期課程を開設。大学院経済学研究科に経営学専攻の博士課程(前期・後期)を開設。大学院文学研究科教育学専攻、社会学専攻の博士前期課程を廃止。
  • 2008年 - 理工学部機械工学科、電気・電子工学科、数学科、物理学科、化学科を理工学部物質生命理工学科、機能創造理工学科、情報理工学科に改組。大学院理工学研究科機械工学専攻、電気・電子工学専攻、応用化学専攻、化学専攻、数学専攻、物理学専攻、生物科学専攻の博士課程(前期・後期)を大学院理工学研究科理工学専攻の博士課程(前期・後期)に改組。大学院文学研究科心理学専攻の博士前期課程を廃止。大学院外国語学研究科国際関係論専攻の博士前期課程を廃止。大学院外国語学研究科比較文化専攻の修士課程を廃止。大学院外国語学研究科地域研究専攻の博士前期課程を廃止。
  • 2009年 - 文学部教育学科、社会学科を廃止。大学院理工学研究科機械工学専攻、電気・電子工学専攻、物理学専攻、応用化学専攻、化学専攻の博士前期課程を廃止。
  • 2010年 - 文学部心理学科を廃止。比較文化学部日本語・日本文化学科を廃止。大学院理工学研究科数学専攻の博士前期課程を廃止。日本グリーフケア研究所を聖トマス大学から移管。
  • 2011年 - 聖母大学などを運営する学校法人聖母学園を吸収合併し、総合人間科学部に看護学科を開設(これまで聖母大学であった校舎は、上智大学の目白聖母キャンパスへ移管)。大学院総合人間科学研究科に看護学専攻修士課程を開設。大学院文学研究科に文化交渉学専攻博士課程(前期・後期)を開設。文学部社会福祉学科を廃止。大学院理工学研究科生物科学専攻の博士前期課程、応用化学専攻、化学専攻、物理学専攻の博士後期課程を廃止。大学院地球環境学研究科地球環境学専攻の博士課程(前期・後期)に国際環境コースを設置。比較文化学部比較文化学科を廃止。大阪サテライトキャンパスを開設。
  • 2012年 - 理工学部に英語コース(物質生命理工学科グリーンサイエンスコース、機能物質理工学科グリーンエンジニアリングコース)を開設。大学院理工学研究科数学専攻の博士後期課程を廃止。上智短期大学を上智大学短期大学部に改組
  • 2013年 - 理工学部物理学科、化学科、機械工学科を廃止。大学院外国語学研究科国際関係論専攻の博士後期課程を廃止。大学院理工学研究科電気・電子工学専攻、生物科学専攻、機械工学専攻の博士後期課程を廃止。
  • 2014年 - 総合グローバル学部(総合グローバル学科)を開設。大学院文学研究科社会学専攻の博士後期課程を廃止。聖マリアンナ医科大学と教育・研究活動の交流と連携の推進を目的とした大学間交流に関する包括協定を締結。聖マリアンナ医科大学の附属病院が総合人間科学部看護学科の実習生を実習先として受け入れることなど、両大学間の全学的な交流と連携、協力を推進するとしている。また、ボルボ・グループとの産学教育連携が発表。
  • 2015年 - 助産学専攻科を開設。理工学部数学科を廃止。大学院文学研究科教育学専攻の博士後期課程を廃止。大学院経済学研究科経済制度・組織専攻の博士後期課程を廃止。大学院外国語学研究科地域研究専攻の博士後期課程を廃止。
  • 2016年 - 大学院文学研究科に哲学専攻博士課程(前期・後期)を開設。大学院実践宗教学研究科死生学専攻修士課程を開設。大学院大学外国語学研究科を大学院言語科学研究科に名称変更。理工学部電気・電子工学科を廃止。
  • 2017年 - 5月8日、6号館ビル(通称:ソフィアタワー)のオフィスビル部分にあおぞら銀行本社が移転。また、ボルボとの産学教育連携契約を更改。
  • 2018年 - 大学院実践宗教学研究科死生学専攻博士後期課程を開設(それに伴い、修士課程は博士前期課程となる)。

教育及び研究

21世紀COEプログラム

  • 2002年
学際・複合・新領域
    • 地域立脚型グローバル・スタディーズの構築(AGLOS)

私立大学学術研究高度化推進事業

  • オープン・リサーチ・センター整備事業
  • 人間情報科学研究プロジェクト
  • ハイテク・リサーチ・センター整備事業
  • 先端科学技術研究機構

関連項目

大学公式キャラクター

ソフィアンくん」という名前の鳥のマスコットがいる。

参考・出典・公式サイト

出典
公式サイト