概要
四大工業地帯の1つ北九州工業地帯において、1963年(昭和38年)2月10日に門司市、小倉市、戸畑市、八幡市および若松市の5市による新設合併で誕生し、三大都市圏や県庁所在地以外では初の政令指定都市となった。当市を中心とした北九州都市圏のほか、隣接する山口県下関市などとともに関門都市圏を形成する。
人口規模は日本の市で13位、九州地方では福岡市に次ぐ2位であり、同市とともにグローバル創業・雇用創出特区として国家戦略特別区域に指定されている。非都道府県庁所在地においては川崎市に次ぐ2位の人口を有する。
九州における主要な国道や鉄道路線の起点であり、1880年代(明治20年代)から九州鉄道や関門海峡に面した門司港、若松港などの港湾をはじめとする交通基盤の整備が進んだ。2016年4月24日には、東九州自動車道が大分市および宮崎市まで直結し、九州自動車道と合わせて交通結節点としての拠点性が向上した。
1901年(明治34年)に筑豊炭田から近い八幡村(当時、後の八幡市)に官営製鉄所が設置され、日本国内最大の鉄鋼供給地として工業化が進展した。北九州では、港湾と鉄道が一体となった国際貿易港と鈴木商店による食品工業が集積する門司、軍事産業が集積する小倉、石炭の集散地の若松、官営八幡製鉄所が操業する八幡、紡績や石炭関連産業と水産基地の戸畑と、様々な産業特性の顔を持つ都市が、関門海峡や洞海湾沿岸で互いに競いながら発展してきた。
戦後においては、鉄鋼・金属などの重工業を中心に発展し、高度経済成長の原動力となった。1990年代後半までは地域経済に占める製造業の割合が大きかったが、2000年代にはサービス業と逆転し、産業構造の転換が進んでいる。また、北九州エコタウンなどのエコビジネスも集積している。
気候
北九州市の東部は瀬戸内海(周防灘)、北部は日本海(響灘)に面しており、瀬戸内海気候と日本海気候の中間的な傾向を示し、比較的温暖である。季節風の影響を受けやすく、冬は西からの風が強く、春から秋にかけては南からの風が強い。
響灘は日本海特有の冬季の風浪の影響を受けるが、周防灘は瀬戸内海特有の比較的平穏な海域となっている。春先は関門海峡で濃い霧がしばしば発生する。梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われ、晴れて暑い盛夏になり、最高気温35度以上の猛暑日が増える。冬型の気圧配置になると曇天になることが多く、雪が降ることもある。
北九州観測局の2006年(平成18年)の測定結果によると、年平均気温17.0度、年平均湿度72.9%、年間降水量2,237.0mmであった。