概観
前身は、上方の京都府・山城において明治に開かれた同志社英学校という私塾である。それは、キリスト新教改革教会組合派(カルバン主義プロテスタント会衆派)の清教徒だった新島襄が1875年に創った学舎だった。同志社英学校を創るにあたり新島は、アメリカ合州国に在る組合派系の海外伝道団体である「アメリカン・ボード」の力添えによった。但し同志社大学は、キリスト教を広めることそのものを主な狙いとする大学ではない。同志社は自らを、(「キリスト教」ではなく)「キリスト教主義」の学校と言う。
現在、神学部・文学部・社会学部・法学部・経済学部・商学部・政策学部・文化情報学部・理工学部・生命医科学部・スポーツ健康科学部・心理学部・グローバル/コミュニケーション学部・グローバル地域文化学部の14学部16研究科が設置されている(2018年時点)。同志社という校名は「志を同じくする者が集まって創る結社」という意味。
建学の精神
建学精神はキリスト教精神に基づく「良心」である。新島襄は建学の目的として、「良心を手腕に運用する人物」の育成を掲げている。知識教育に偏ることのないよう、キリスト教に基づく「徳育」を並行して進めることで、「良心の全身に充満」した人々を輩出したいと願ったのである。この「良心」教育を具体的に実現するための教育理念として、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」が掲げられ、これらを通じて「一国の良心」たる人物を世に送り出すことを目指している。その思いを彼の筆跡のまま刻んだ碑が、今出川・京田辺両校地の正面入口に存在し、「良心之全身ニ充満シタル丈夫ノ起リ来ラン事ヲ」という言葉が刻まれている。
評価
2016年、THE世界大学ランキングで、801位。2018年、世界大学ランキング(日本版)で28位。2017年「生徒に人気の大学」トップ100ランキング、11位。
教育・研究
- 21世紀COEプログラム
- 社会科学
- 技術・企業・国際競争力の総合研究 2003年
- 学際・複合・新領域
- 一神教の学際的研究
- 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
- 研究拠点を形成する研究
- 高次神経機能障害の発症メカニズムの解明と新規治療法の開発 2012
- 統合的電力・通信社会環境の形成プロジェクト 2010
- 先進微粒子材料の科学と工学の融合 2009
- ゼロエミッション技術を基盤とした環境調和型エネルギーグリッドの最適化研究
- 持続的イノベーションを可能とする人と組織の研究
- 一神教とその世界に関する基礎的・応用的研究拠点の形成 2008
- 先端的分子生命化学の研究拠点形成
教育制度
- 飛び級制度
3年次終了時に成績が特に優秀と認められた場合には4年次を受けることなく大学院に進学することができる飛び級制度を設けている。大学は中退扱いになるので学位は取得できない。
- ダブルディグリーシステム
理工学研究科とエコール・サントラル国立理工科学学院の両大学の修士を取得することができるダブルディグリーシステムを導入している。
- 学内ダブルディグリーシステム
同志社大学の工学研究科とビジネス大学院で理工学修士とビジネス修士を3年間で取得することができる。
- 外国語オナーズ
外国語オナーズは2006年度より作られた外国語科目の成績優秀者を表彰する制度。受賞者には、学長表彰と成績証明書への記載がされる。
- 学部奨励学生制度
学部生の身分のままで研究科前期課程の科目の履修を開始し、大学院入学後、1年で前期課程が終了できる制度。
大学公式キャラクター
べんけい(Ben-k)という名前の犬のキャラクターが存在する。新島襄の愛犬「弁慶」にちなんで名づけられた。また、八重さんというキャラクターも存在する。新島襄の妻である新島八重を主人公とした2013年のNHK大河ドラマ八重の桜に因んだキャラクターで、2011年11月に制定された。キャラクターはスクールカラーのロイヤル・パープルの洋装に身を包み、被っている帽子には校章に加えて八重桜の花がある。名称は新島襄は夫人を「八重さん」と呼んでいたことに因む。