2ch脳(にちゃんのう、2ちゃんねる脳、2ちゃん脳)とは、匿名掲示板2ちゃんねるおよびインターネット上に見られるユーザーの特徴を表す言葉である。
概要
この単語は「ゲーム脳」から生まれたレッテル貼りの一種、いわゆる「○○脳」の一種であり、2ちゃんねるの利用者、その中でも特に熱心に利用している者達に多い考え方の傾向を表したものを指していたが、その後次第に類似する文化圏にあるコミュニティの悪影響を受けた者達のことを指す比喩的な蔑称となっていった。
現在ではその後継である5ちゃんねる自体の位置付けが大きく変化した上に、板やスレッド毎の認識も広がったため、呼称に名前こそ残るもののいわゆる「2ちゃんねらー」自体を指す言葉としてはほとんど用いられていない他、板単位などのより細分化した範囲を対象とする場合には下位互換的に別の名称が当てはめられることもある。
歴史
当時の2ちゃんねる発足当初はこの種のユーザーに対し決められた呼び方が無く、荒らし・厨房と言うような呼び方が時々使われるのみだったとされる。
しかし2006年3月にニュース速報VIP板に「お前ら2ch脳のコピペつくろうぜー」というスレッドが建てられ、この時点において2ch脳という言葉が徐々に使われ始めていったと推測されている。
近年のインターネットの普遍化および2ちゃんねるのその後の状況等により、この言葉の定義は非常に曖昧なものとなっており、インターネット上の2ちゃんねらー以外の人物でも下記に挙げられる様な特定の態度言動、特に否定と無責任を前提とする思考や、ネット上の情報・文化を過剰に重視するなどの偏った言動を指して呼ばれるようになっている。
特徴
これは一般的にそうみなされるものであり、現状では変化している可能性が存在する。
- 否定的な発言のみしかしない
- あらゆる物事に対して必ず否定から入り、相手の発言に対し徹底的に批難する。様々なサイトで炎上させる原因の火種を撒き散らすことは日常茶飯事であり、掲示板#.E9.9B.BB.E5.AD.90.E6.8E.B2.E7.A4.BA.E6.9D.BF等で議論が交わされた際に、少しでも肯定・賛美的な部分があってもそれを認めずに徹底的に叩く為、まともな議論にならない自体が発生し、煽り荒らしの姿勢が常態化しており、自分に対する批判を「不当な誹謗中傷」などと都合良く批判し、自分からの誹謗中傷は「真っ当な批判」と主張し、自らの発言に責任を持たない。
- 情報源がネット上の内容
- 匿名掲示板やまとめサイト、個人のTwitterなどのネットの内容を情報源とし、ネットの情報を真の常識と考えている( ネットでこれだけ叩かれているから○○は誰にとっても駄作、等 )が、そもそもネット上の意見には各種存在するが、基本的に彼らは「都合の良い情報」を選択してその他の情報を排除する傾向があり、「都合の良い情報」を発信しているのは彼らと同じ「2hc脳」の場合が多く、一般的ではない意見である場合が存在する。
- 周囲に対しては威圧的・攻撃的
- 自分に対する否定的意見、叩く対象に対して肯定的意見が出れば徹底的に叩き、レッテル貼り( 例:○○厨・信者・アンチ他 )を多用し、上から目線で周囲を見下し、優劣を付けたがる( 不等号と「越えられない壁」を多用 )など、非寛容で許容の心を持ち合わせていないとされ、Q&Aサイト、例えば「Yahoo!知恵袋」等で相手の質問に対し中傷的な返答がされる光景があるのもこの種の
- 二元論でしか語れない
- 「Aが○○なら必ず△△だ」( ただし実際には「○○なら△△」という根拠は乏しい場合が多い )といった二元論でしか物事を語れず、勧善懲悪を好む傾向にある。この思考回路がレッテル貼りに繋がっていると言える。
- 倫理面が壊滅的になる
- 自らの言動に責任を持たない処か正当な発言をしているという自覚しか持たず、疑似的なサイコパス状態に陥り、人として最低限やってはいけないラインを平然と越えるようになる ( 当然、これは「迷惑行為をしている」という自覚があればやっていいという意味ではないのだが「悪い事をしている自覚があれば何をやってもいい」といった論理飛躍をする者も存在する )。例えば真夏の夜の淫夢など、不謹慎系のコミュニティでは「自らのジャンルがそれ以外の人間にとって如何に不快か」理解した上で他所への持ち込みはよしとしない層もいるが、そういった人間を「似非良識派」「どうせ他人をネタにしてるんだから、より直接的な誹謗中傷などを行う自分たちの方がジャンルとしては正当」などといった主張を展開し、そして度が行きすぎると「特定されなければ違法ではない」という考えを持つようになり、やがて法に触れる域に達する。ネット上で相次ぐ個人情報の公開や殺害予告などが代表例( この事件などを参照、この場合は中傷された本人にはまったくの非が無かったが、逆に「非があればやってもいい」「自分の行為を取り締まる法律こそ間違っている」と開き直る場合もある )であり、またアフィリエイト目的で意図的に引き起こされる炎上、通称「アフィカス」もこの症状で引き起こるものといわれる場合もあり、特に金儲けのためにあらゆる迷惑行為を恣意的に発生させるまとめブログ( サイト )の管理人は、2ch脳か愉快犯のどっちかであろう。
- 他人に厳しく自分に甘く
- 周囲に反感を買う発言を行うものの、逆に自分や自分と同じ意見が「否定」されるのを強く嫌い、された場合には相手を敵とみなし静まるまで徹底的に叩き、それらすべての行動には責任を持たず、他者に自己責任を押しつけ( 荒れるようなことを言ったお前が悪い、など )、そして自分には自由と権利を、他人には義務と責任を求めるダブルスタンダードな思考の持ち主であり、著名人やメディアによる2ちゃんねる批判に対しては「○○よりかはマシ」「××の方が糞」のような他のサイトを比較する擁護意見を言う場合があり、似たような事例として、Yahoo!知恵袋やWikipediaを批判された時も同様の態度を取ることがある。
- 他人の不幸・失態を必要以上に大喜びする
- 倫理がある程度破綻してる者は「他人の不幸は蜜の味」という言葉を信条とする傾向にあるといわれるが、悪意を赤裸々にできる匿名掲示板などでは特に露骨に表面化させる傾向にあり、上記の言葉についても「人としては当たり前のことだ」と飛躍した正当性を振りかざす場合があり、主に今まで成功を積み重ねてきた中で失態をやらかした著名人や社会的弱者が標的にされやすい。
- 上記のような内容に当てはまる部分があっても、それでも自分は2ch脳という自覚がないor認めない。
- 基本的に「自分が上」の思考回路なので、2ch脳の存在を認めても、自分がそうであるという自覚は持たないし、指摘されても認めず、最悪の場合相手の行った指摘を「レッテル貼り」と捉えて反撃に出る場合もある。それ自体がレッテル貼りだという事にも気付いていないと思われる。
外部サイトでの2ちゃん脳
名称から2ちゃんねる特有のものであると勘違いされることが多いが、実際にはこの種の思考のユーザーは発覚しなかっただけで一定数は存在していると思われ、他にかつて存在したアニヲタwikiにもこのような思考をする人間が少々見受けられ、主にコメント欄にて出没する傾向があり、主に作品やキャラクターに対する不満や批判が述べられ、そして総合相談所になってくると更に2ちゃん脳的な書き込みが多くなっていき、荒らし報告では些細な書き込みでも何かとつけて「規制だ!」「規制だ!」とスルースキルゼロな削除依頼や規制依頼をしており、提案所に至っては良い案に対して攻撃的な否定意見をぶつけ、結果的に煽り合いになっていることもしょっちゅうとなっていたらしいが、このように多くのアニヲタ諸兄は、自分の好きな記事のコメント欄に罵詈雑言が書き込まれるさまを目の当たりにした経験があったに違いないが、そもそも、ネットにおけるコメントの多くは主観的なものであり、自分と他人とで意見が相違するということは何処かで起きるものであって、秀外恵中なるアニヲタ諸兄には、他人の意見に対しある程度の敬意を払って不要な衝突はなるべく避けるよう努めるべきであろう。
最後に
2chの創設者とされる西村博之( ひろゆき )による有名な発言として「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」というものが存在し、この言葉の様に、当たり前だがインターネットというツールは嘘・誇張・無視の様な意図的な情報を流す行為が跋扈する場であり、各種メディア、例えば放送や新聞が信用できないからといって、匿名の有象無象が好き勝手なことを嘯くネットを鵜呑みにするのでは、本末転倒もいいところである。
我々ネットに触れる者としては「自分は大丈夫だろう」ではなく、常に「自分にとって都合がよくても正しいとは限らない」という意識を心がけていくことが、これからも必要となると思われ、人間はどうしても集団に流されやすい生き物であり、ただ右に倣えで物を言うのではなく、まずは自分の力で情報源を特定し、自分の頭で考えることが大切であり、必要なことは「否定から入る」ことではなく「疑問から入る」ことであるという。