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2011年10月17日 (月) 15:32時点におけるYosuke (ノート | 投稿記録)による版

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イエネコ

イエネコは、形態学的分析を主とする伝統的な生物学的知見によって、以前からリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)が原種とされてきた。 また、20世紀後半から発展した分子系統学等による新たな知見も、従来説を裏付ける形となった。 米英独等の国際チームによる2007年6月29日の『サイエンス』誌(電子版)への発表では、世界のイエネコ計979匹をサンプルとしたミトコンドリアDNAの解析結果により、イエネコの祖先は約13万1,000年前(更新世末期〈アレレード期[en]〉)に中東の砂漠などに生息していたリビアヤマネコであることが判明した。

イヌとの違い

愛玩用家畜として同じく一般的なイヌ(Canis lupus familiaris)に比して、ネコは飼育開始の時期が遅いが、これは家畜化の経緯の相違による。イヌは狩猟採集民に猟犬や番犬として必要とされ、早くから人の社会に組み込まれたが、ネコは、農耕の開始に伴い鼠害(ネズミの害)が深刻にならない限り有用性が無く、むしろ狩猟者としては競合相手ですらあった。その競合的捕食動物が人のパートナーとなり得たのは、穀物という「一定期間の保管を要する食害を受けやすい財産」を人類が保有するようになり、財産の番人としてのネコの役割が登場したことによる。また、伝染病を媒介する鼠を駆除することは、結果的に疫病の予防にもなった。さらに、記録媒体として紙など食害されやすい材料が現れると、これを守ることも期待された。日本へは、穀物倉庫の番人として渡来したと考えられている。

家畜化

農耕が開始され集落が出現した時期、中東周辺で、山野でネズミやノウサギを追っていたネコがネズミが数多く集まる穀物の貯蔵場所に現れ、中には棲みつくものもいたのが始まりと考えられている(リビアヤマネコの生息地と農耕文化圏が重なった地域で、複数回起こっていたと考えられる。「#人間との歴史」)。 穀物には手を出さず、それを食害する害獣のみを捕食することから、双方の利益が一致。穀物を守るネコは益獣として大切にされるようになり、やがて家畜化に繋がった。

歴史

初めて人に飼われたネコから現在のイエネコに直接血統が連続しているかは不明確。最古の飼育例は、キプロス島の約9,500年前の遺跡から見出される。 また、今日のイエネコの直接的・系統的起源は明らかではないが、紀元前3000年ごろの古代エジプトで固定化されたものと言われている。